労働組合との団体交渉 - 労働問題・仕事の法律全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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閲覧数順 2016年12月07日更新

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労働組合との団体交渉

労働組合法
  第1章 総則
(目的)
第1条1項
労働組合法は、
・労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、
・労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること
・使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成すること
を目的とする。
2  刑法第35条 の規定は、労働組合の団体交渉その他の行為であって前項に掲げる目的を達成するためにした正当なものについて適用があるものとする。但し、いかなる場合においても、暴力の行使は、労働組合の正当な行為と解釈されてはならない。
(労働組合)
第2条  労働組合法で「労働組合」とは、労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいう。但し、左の各号の一に該当するものは、この限りでない。
一  以下のような使用者の利益代表者が参加するもの
役員、
雇入・解雇・昇進・異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者、
使用者の労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが当該労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接にてい触する監督的地位にある労働者
その他使用者の利益を代表する者の参加を許すもの
二  団体の運営のための経費の支出につき使用者の経理上の援助を受けるもの(便宜供与)。但し、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、且つ、厚生資金又は経済上の不幸・災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする。
三  共済事業その他福利事業のみを目的とするもの
四  主として政治運動又は社会運動を目的とするもの

団体交渉を開始する前に、まず、正当な労働組合(労働組合法2条、5条)かどうかの確認をすべきである。
 労働組合法の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受けた労働組合は、その主たる事務所の所在地において登記することによって法人となる(11条1項)。 法務局へ行けば、通常の会社と同じように、法人である労働組合の登記事項証明書を取ることができる。
  労働組合の代表者(12条)の確認をする。
 次に、交渉を担当するのは、労働組合の代表者以外のことがあるので、交渉担当者と交渉権限(労働組合法6条)の確認をする。

(交渉権限)
第6条  労働組合の代表者又は労働組合の委任を受けた者は、労働組合又は組合員のために使用者又はその団体と労働協約の締結その他の事項に関して交渉する権限を有する。
(不当労働行為)
第7条  使用者は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
一  労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもって、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること(不利益取り扱い)、又は、労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること(黄犬契約)。ただし、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約(ユニオン・ショップ協定)を締結することを妨げるものではない。
二  使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと(団交拒否)。
三  労働者が労働組合を結成し、若しくは運営することを支配し、若しくはこれに介入すること(支配介入)、又は労働組合の運営のための経費の支払につき経理上の援助を与えること(便宜供与)。ただし、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、かつ、厚生資金又は経済上の不幸・災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする。
四  労働者が労働委員会に対し使用者がこの条の規定に違反した旨の申立てをしたこと若しくは中央労働委員会に対し第27条の12第1項の規定による命令に対する再審査の申立てをしたこと又は労働委員会がこれらの申立てに係る調査若しくは審問をし、若しくは当事者に和解を勧め、若しくは労働関係調整法 による労働争議の調整をする場合に労働者が証拠を提示し、若しくは発言をしたことを理由として、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること。

使用者側の交渉担当者は、労働条件に関する管理監督の権限を有する役員、部長などが担当すべきである。
交渉権限が全くない担当者しか出席しないのでは、不誠実な交渉であって、実質的な団体交渉拒否(不当労働行為、労働組合法7条2号)に該当するかが問題となるので、避けたほうがよい。

なお、団体交渉の事項として、政治・社会運動について、議題とすべきではない。これらは、使用者に決定権限がないからである。


労働組合との団体交渉について、録音をしておいたほうが良い。

労使間の議事録への会社の記名押印が求められることがあるが、労働協約とみなされることがあるので、作成には慎重を期すべきである。

   第3章 労働協約
(労働協約の効力の発生)
第14条  労働組合と使用者又はその団体との間の労働条件その他に関する労働協約は、書面に作成し、両当事者が署名し、又は記名押印することによってその効力を生ずる。
(労働協約の期間)
第15条  労働協約には、3年をこえる有効期間の定めをすることができない。
2  3年をこえる有効期間の定めをした労働協約は、3年の有効期間の定めをした労働協約とみなす。
3  有効期間の定めがない労働協約は、当事者の一方が、署名し、又は記名押印した文書によって相手方に予告して、解約することができる。一定の期間を定める労働協約であって、その期間の経過後も期限を定めず効力を存続する旨の定があるものについて、その期間の経過後も、同様とする。
4  前項の予告は、解約しようとする日の少なくとも90日前にしなければならない。
(基準の効力)
第16条  労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とする。この場合において無効となった部分は、基準の定めるところによる。労働契約に定がない部分についても、同様とする。
(一般的拘束力)
第17条  一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする。

また、地域的な労働協約の一般的拘束力について、18条が定めているが、現在では実例はほとんどない。

使用者から、労働委員会に対して、労働争議の紛争解決のためのあっせんを求めることができる。
ただし、不当労働行為は、使用者の行為についてのみが対象である。
したがって、労働者の不当違法な行為については、使用者は裁判所を利用することが多い。

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