安倍内閣になってからは、アベノミクスや3本の矢など、日本経済を上昇させることばかりを争点にして、最も重要な富の再分配に関しては口をつぐんでしまっています。わたしは、政治家の仕事は国民から集めた税金を、いかに不満を少なく国民に再分配するかが最大の仕事と思っています。
個々の政治家が集まって政党を作るのは、この配分先を巡って認識を共有できる人たちが集まるからです。そのため、政治家が国民という場合は、一義的には全国民を言い表しますが、本音は自分や自分の政党に投票してくれた人や団体へ再配分を多くしがちです。特に自民党は、露骨に支援者へのお手盛りをした歴史があります。
前回の衆院選に続いて、民主党はすっかり影が薄くなりました。思い出して欲しいのですが、09年の衆院選で民主党のキーワードは「政権交代」でした。そして、見事に政権交代を成し遂げました。ただ、政権交代後のことまでは考えていなかったと思います。民主党の時間は、政権交代で止まってしまいました。
似たようなことは、起業においても起こります。90年代後半の金融危機後に起業を目指した人の多くが、まず手に職をつけようと資格の取得に走りました。社会保険労務士や行政書士、税理士などに挑戦しました。運よく合格した人もいましたが、その後の開業までは考えていない人ばかりです。
結局、資格を取ったはいいけれど、その資格を活用して士族で開業までたどり着けた人は少数です。多くの人は、再び就職の道を歩むことになったようです。目的に向かって頑張るのはいいけれど、その後の展開も考えておかないと、民主党と同じ道を歩むことになります。最後は、起業への志もなくなってしまうのではないでしょうか。
【一言】
ある意味、起業は政治に翻弄されることなく、経済活動を目指すものです。昔から多くの日本人は、政権に景気の浮揚を期待してきました。その結果が、太平洋戦争ですし、多額の政府の借金です。政治家と官僚が手をつなぐと、この国をどのようなカタチにも変えてしまいます。そこで痛い目にあうのはいつも国民です。そろそろ政府頼みの好景気は、止めた方がよいように思います。
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