自然災害に弱い場所での出店 - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

中山おさひろ
東京都
起業コンサルタント

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年04月15日更新

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自然災害に弱い場所での出店

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 3年前、東京西部で接骨院を開業したAさんの体験です。高校を出て接骨と鍼灸の専門学校で資格を取得、その後は5年間埼玉県の接骨院に勤めて開業準備をしていたAさん。出店のため、手ごろな開業場所を探していました。当初は、地元に出店したかったのですが、競合店が多く10キロ以上離れた場所での開業になりました。

 JR中央線の沿線に近い街で、人の流れも多い場所です。その割には、ビルの1階なのに家賃も安く、築後少し古いけれども掘出しものと思われる物件でした。3月に開業し、その後順調に患者さんを増やしていきました。その年9月、台風到来のときに大水が発生し、店舗は30センチほど浸水する被害に遭いました。

 後日聞いた話によると、Aさんが接骨院を開業した場所は、昔から大水で浸水が起こる場所として知られていたようです。そのため、周辺よりも家賃は安くしても、地元の人は開業を避けるような場所でした。多分、Aさんに紹介した不動産屋は知っていたのでしょうが、問い合わせや確認をしない限りは答えません。

 Aさんは、現在もその場所で開業しています。ただ家賃は、ビルオーナーと交渉して、1割ほど下げてもらいました。新規に出店するとき、ほとんどの人は土地勘のない場所で出店します。人の流れに関してはよく下調べをしますが、自然災害にはほとんど無警戒です。過去の災害履歴を調べるようなこともしません。

 起業する人が気をつけないといけないのは、集客のための人の流れと同様に、災害発生が起きやすい土地か否かも確認するべきです。20世紀までは、自然災害に関して、そんなに注意を向ける必要はありませんでした。災害自体は発生していましたが、精々宝くじの1等、2等に当たる確率で危機感は低かったです。

 21世紀になって、異常気象が頻繁に発生するようになり、ここ数年は異常気象と言う言葉さえ言われなくなりました。異常ではなくて、常に発生することになりました。太平洋の夏の海水温が、過去と比較して3度近く高くなり、台風の発生回数や低気圧の強さ、その規模も格段に大きくなっています。

 現代は頭を切り替え、常に大雪や大水、猛暑、大型台風などが、常に起こる環境と考えたほうがよさそうです。出店する場所に関しても、災害に対し強い土地であることを確認する必要があります。Aさんも頭を切り替え、接骨院の設備を全て高い場所に移して、浸水に備えた営業展開を心がけています。

【一言】
 店舗も、場所によっては交通事故に遭いやすい場所ってこともあります。よく言う、車の飛び込みやすい場所です。何故、こんな通りから少し入った場所なのに、車が飛び込むと思われる場所でも、入る車はお構いなしです。ただ、一番怖いのは、開業しても1年も持たないで閉店するような、呪われたような店です。こればかりは、下手な冒険心を犯さずに避けたほうがよさそうです。

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