そんな開業を目指す人に、冷や水を浴びせるような発表が消費生活センターからありました。整体やマッサージを利用した人から、身体に何らかの症状があったという苦情が年々増えています。昨年4月には60代女性が、マッサージの最中にあばら骨が折れるケースも発生したと公表しています。
07年度には、年間115件だった身体の異常を訴える人が、12年度には257件にも増えているようです。全体の利用者数が増えていることもあって、ある程度トラブルは増えると思いますが、マッサージに行って骨折といった事例がありますと、社会的にマッサージに対して厳しくなります。
元々、マッサージに関しては、国家資格の針灸・マッサージ師の仕事が年々少なくなって、民間資格のリラクゼーションやカイロプラクティックにお客さんを奪われている現状があります。今後、消費生活センターがこの問題を重視しますと、何らかの規制が行われる可能性が高くなります。
規制緩和が進んだ高速ツアーバス業界では、昨年夏の関越自動車道での死亡事故が発生後、大幅に法律改正が行われました。現在は、開業時にはバス6台保有できない人は、開業できないほど規制が厳しくなっています。今後もトラブルが増えますと、このような規制強化がマッサージ業界にも広がることも考えられます。
これだけ市場が広がっていますから、国家資格のない人には施術を禁止するといった乱暴な規制は難しいです。結局は、緩やかな介護のヘルパーや薬販売の販売員に似た制度を、設けるのではないでしょうか。マッサージで開業を目指す人は、今後の厚労省の動向に注意する必要がありそうです。
【一言】
ビジネスとしてのマッサージは、決して利幅の大きなビジネスではありません。1人のスタッフが1人のお客さんを相手しますから、店舗を経営しても大きな利益は望めません。ただ、固定したお客さんが増えますと、とても堅実なビジネスです。また、1店舗での利益は知れていますが、複数店舗を運営できるようになりますと、経営が楽になる特徴があります。
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