【人の絆を育む家】の続編です。
3. 個を守る空間のあり方
まず、個を守る空間について考えてみましょう。一般に寝室や子供室といった個室では、扉で仕切れば他の部屋と遮断されるので、しっかりと自分の世界を守ることができます。しかし住宅はホテルの客室のように扉の外が見ず知らずの他人というわけではありません。他の家族と適切な距離が保たれ、個の世界が守られていると感じられればいいので、視線や音の完璧な遮断は必須ではありません。場合によっては、リビングダイニングスペース(LD)などの家族の共有空間とのつながりを失わないつくりの方がいい効果を生むこともあります。個室で何をするかについて一度考えてみてはどうでしょうか。たとえば子ども室は、寝る場であり勉強する場であることが多いですが、必ずしも勉強を個室でしなければならないわけではありません。子どもの年齢にもよりますが、LDで勉強をし、時々親や兄弟に質問する方が勉強を楽しく感じることもあります。子どもが各自小さな寝室を持ち、勉強は兄弟共通の広いカウンターでするという考え方もあります。このように柔軟に考えていくと、家族の新たな関係がイメージされてきます。
(つづく)
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このコラムの執筆専門家
- 西島 正樹
- (東京都 / 建築家)
- 西島正樹/プライム一級建築士事務所 建築家
一人ひとりの生き方と呼応し、内面を健やかに育む住宅を
家づくりを大切に考えることは、生き方を大切に考えることにつながるのではないでしょうか。一人ひとりの生き方、考え方に呼応してこそ、住む人の心を育む建築空間が生まれます。この世にひとつだけの家づくり。ぜひ、ご一緒できればと願っています。
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