今年に入って、アベノミクスで円安、株高が進んでから売り出された、アベノミクス礼讃本の数々です。これ以外にも売り出されていますから、その数は相当数に上ります。しかも、円安は方向転換して高くなり始めていますし、日経平均株価は1万6千円寸前から、1万35百円台と大きく下がりました。
アベノミクス本も、6月に入ってからは、すっかり売れなくなっていると言います。短期間に売れるだけ売ろうとする一発勝負型の本ですが、このままでは相当数の在庫を抱えてブームを終えるようです。リスクが大きく、赤字になっても経営に響かない大手出版社だからできる芸当です。
起業においても一発勝負型の開業する人がいます。ブームを追いかけて開業する起業です。関東地方で、一時は50店以上開業した「白いたいやき」ですが、現在は細々と5店程度数えるだけです。スマホ用アプリ制作では、多くの起業を生みました。現在は、アップルとグーグルとに牛耳られ、小企業では対応できないほど少ない収益です。
もし、一度は起業が軌道に乗ることがあっても、直ぐに次のビジネスを立ち上げないと、いつまでもお客さんを集め続けることは困難です。アベノミクス本の出版社の場合、過去の内部保留があることで一発勝負が可能です。起業したばかりの会社には、このような芸当ができないと思ったほうがよいです。
どのような業種・業態で起業するか、最初の入口が決まった時点で、その会社の将来はある程度見通すことができます。ここで判断を誤まりますと、ツケはその後のビジネスに常に付いて回ります。慎重によく考え、将来性のある業種で起業してください。
【一言】
2000年代初頭、わが国では最も利益を上げていた企業の一社任天堂が、今はスマホの無料ゲームにお客さんを奪われ、2期連続の赤字に喘いでいます。2000年代中盤、わが国SNSの筆頭格だったミクシィは、Facebookにお客さんをとられ、今後ますます厳しい経営になりそうです。巨大企業も小企業も、お客さんの奪い合いは同じです。絶えず、陽の当たる場所で仕事をしていないと、黙っていては会社は存在感がなくなります。
このコラムに類似したコラム
起業は異次元でのビジネスかも 中山おさひろ - 起業コンサルタント(2013/04/29 20:44)
開業費用はいくら必要か? 菅原 茂夫 - 税理士(2012/06/06 11:57)
マスコミに起業した会社が取り上げられると 中山おさひろ - 起業コンサルタント(2014/01/16 20:20)
脱サラでUターン起業を考えるなら 中山おさひろ - 起業コンサルタント(2013/12/20 20:37)
驚きのわが国認知症患者数が550万人 中山おさひろ - 起業コンサルタント(2013/12/16 20:32)