舞台の上から声を張り上げ、観客席のお客さんに向かって商品やサービスを売る行為です。舞台という制約はありますが、どんな販売方法を展開しようと起業家の勝手です。その代わり、大勢するはずのお客さんの側は、何を考えているか分かりません。売り方が下手ならば、誰も手を上げて買ってくれないことだけは確かです。
起業を考える人の多くは、お客さんとの取引を一対一でイメージしがちです。
最終的には一対一ですが、情報化が進んでいるわたし達の社会は、メールやネットを通じて大勢のお客さんがつながっています。一人のお客さんには上得意になってもらっても、他のお客さんに大きな失敗をしますと、その事実は直ぐに広まってしまいます。
このような耳障りのよくない話をしますと、「初めて起業する人間が、そこまで考えないといけませんか?」と気分を悪くする人がいます。実際に開業しますと、そこまで事前準備していても、それでも問題は起こります。起業で成功するためには、この問題になりそうな点を、キメ細かく埋めていく作業が必要です。
【一言】
危機管理の原則には、最悪の事態も想定した上で、事前準備を進めることが必要とされます。ところが起業に限っては、多くの人が成功することばかりを考えがちです。ビジネスの場合は、一時の勝負ではありません。継続性を求められますから、成功することよりも失敗しないことが求められます。思いもしない問題がよく起こるのが起業です。
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