まずシェアですが、共有や割り当てと言った意味で使われています。自動車を例にしますと、数人の近所に住む友人同士が共同出資して買う方法があります。また、レンタル車を共同で借りて仲間同士で使用する方法もあります。以前からのレンタル自動車も、広い意味でのシェアビジネスと考えられています。
こう考えますと、個人で自動車を所有する以外はほとんどがシェアと言えます。このシェアビジネスが、自動車、住宅と広がり、今後は新たな分野へと広がりそうです。ポイントとなるのは、日ごろはあまり使用しないけれど、価格の高額な商品です。パーティー用品やアウトドア、冠婚葬祭用品などです。
移動する手段もポイントの一つです。自動車のほかに、自転車、ボート、キャンピングカー、ヨットなど、一人では高額で買えないモノに人気が集まっています。共通の空間もポイントです。家屋とか、マンションの一部屋とか、倉庫とか、別荘とか、こちらもアイデア次第で対象は広がりそうです。
このビジネスに将来性を見出す背景には、「米国で普及」していることです。思い出しますと、2000年代の初め全米で爆発的に人気を集めた青春ドラマ「フレンド」は、シェアハウスに集う4つのカップルが主人公でした。米国で人気の生活スタイルは、日本でも広まります。
「若者の中古品好き」も重要なポイントです。過去1年間に中古品売買をした20代、30代の若者は7割以上に達します。60代は4割台ですから、若者の中古品好きは間違いありません。やはり右肩上がりの日本経済で成長した、40代以上の人たちと違って、今の若者は身の丈に合った生活をします。
このビジネスの一番の背景は、経営者が1円でも安く労働者を雇用してきた祟(たた)りかもしれません。日本国民に、特に若者に「高額品を買う購買力がなくなっている」ことです。当たり前といえば当たり前で、派遣やパートなど多くの人を安く使ってきた結果、回りまわって最後は国民の購買力がなくなりました。
【一言】
30代より下の年代の人と話しをしますと、それより上の世代とは生活スタイルが違っているように思います。よく、車を持たない、アルコールを飲まない、旅はよく知られた場所へ、リサイクル品好き、シェア好きと言われます。上の世代とは違った顧客ターゲッティングが必要です。ビジネスの仕方も変える必要がありそうですから、年代の違う世代向け起業を考える人は、よく考え慎重に行うべきです。
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