(続き)・・昨日、私は51歳の誕生日を迎えました。朝はすっかり忘れていたのですが、取引先の女性から「誕生日おめでとう」のお手紙を頂いたのと、Facebookで私のページに何人かの方から「おめでとう!」の投稿があったこと、職場のスタッフからプレゼントを頂いたことで思い出しました。皆さま本当にありがとうございます!
さてそのように私もまた1つ年を取った訳ですが、普通は年を取ると「体力が落ちた」とか「顔も肌も老けた」などと感じることが多く、また人によっては生活習慣病などの病気にかかりやすくなるのは、ある程度やむを得ない流れといえます。
私自身にも容赦なく「老い」がしのび寄っているはずですが、私にはあまりその実感がありません。むしろ昨年から「50代」入りしたのが、まだピンと来ないほどです。こんな話をすると周囲から「強がりだ」などと笑われますが、ウソではありません。
具体的にいえば、この1年間まったく風邪をひいていないのと、毎日のように駅の階段などを一段抜かしで駆け上がっていますが、殆んど息が上がりません。また遺伝的な「ハゲ」傾向がありますが、ここ数年はむしろ抜け毛が減ってきています。
確かに「蒲田よしのクリニック」に来院される方々からも「先生は肌がスベスベして若々しいですね」とか「先生もラドンに入っているのですか?」などと言われることがよくあります。私としては特別なことはしていない積りですが、知らず知らずのうちに「アンチエイジング」の取り組みをしていたようです。
その取り組みを列挙すると、毎日のように多量の野菜と果物を食べ、タヒチ産ノニジュースを飲み、週2回プラセンタを注射し、ちょくちょくラドンルームに出没し、週1回はマイヤーズカクテルなどの点滴を受け、週2回くらい筋トレなどの運動をしていることなどが挙げられます。
ただ「蒲田よしのクリニック」に定期的に通っている方々は、皆さん軒並み若返っているのが事実です。確かめたいならば、当院のラドンルームから出てきた来院者の方、特に女性のお肌の具合、声の張り、元気さなどを見て頂くと一目瞭然です。
ラドン浴やプラセンタ注射などの治療法は、病気を良くする以前に、内臓や皮膚、粘膜、脳などの新陳代謝を促し、若返らせるパワーに満ちています。私は来院者の方々に負けないように、いつまでも若々しくいたいと願っています。
さて前回ビタミンCはガンに効果的で、ガン患者の生存率を向上させるというポーリング博士らの研究論文に対し、メイヨー医科大学から「ビタミンCはガンに効かない」という反対論文が出され、一時期ビタミンC研究が下火になったとお話しました。
ところがメイヨー医科大学の研究には致命的な欠陥がありました。というのはポーリングらの研究ではビタミンCを、「内服および点滴の併用」で投与したのに対し、メイヨー医科大学では「内服のみ」で投与したのです。
このように投与方法が異なれば、ビタミンCの血中濃度に大きな差が生じ、臨床的効果にも大きな差が出るのは当然のことです。内服と点滴あるいは静脈注射とでは、栄養素の体内動態や効能の点で公正な比較は出来ません。
具体的には注射または点滴で投与した場合、その用量に比例して血中濃度が上がるのに対し、内服の場合には腸管からの吸収率がネックとなり、血中濃度はあるレベルから上がらなくなります。その結果、最大で数十倍もの血中濃度の差が生じます。
天下のメイヨー医科大学ともあろうものが、なぜそのような不完全な研究論文を出したのか今となっては闇の中ですが、一説では製薬業界と癒着した大学関係者が、「ビタミンCが効く」と結論づけられては薬が売れなくなるので、結託してビタミンC研究の追い落としにかかったのではないか、などとまことしやかに言われています。
1990年に米国の国立がん研究所(NCI)と国立衛生研究所(NIH)、それに食品医薬品局(FDA)が共同研究で、「高用量のビタミンCはガン細胞を殺す」と発表しました。NCIやNIH、FDAという3つの権威の共同研究は異例中の異例で、これによりビタミンC研究をめぐる環境は一気に好転しました。
2000年代にかけて「ビタミンCがガンに有効」という研究結果が相次ぎ、米国を始め世界各地でビタミンCをガン治療に応用する動きが加速していきました。前述のごとく、今では1万人を超す医師がビタミンCの点滴をガン患者などに行なっています。
当初は小さいクリニックだけで細々とビタミンC点滴を行なうのが通例でしたが、近年は大学病院などを舞台に、ビタミンC点滴の「臨床試験」が世界各地で進行中です。日本では東海大学が悪性リンパ腫に対するビタミンC点滴の臨床試験を、点滴療法研究会がガン患者のQOL(生活の質)に対するビタミンC点滴の効果を検証する臨床試験をそれぞれ行なっています。
臨床試験の結果が少しずつ明らかになっており、素晴らしいデータが出始めています。QOLを評価する研究では、ガンに伴う痛みや倦怠感、不眠、便秘、嘔気、食欲不振などといった症状が明らかに緩和し、患者の体調が見違えるほど改善しています。ガンが小さくなる以前にQOLの改善が得られるのです。
統計的な数字はまだ出せませんが、個々の症例ではビタミンC点滴による多数の著効例が発表されています。中には全身に転移し末期状態となったガン患者が、ビタミンC点滴によって完治といえる状態になった様な例も少なくありません。
ガン患者は実際には複数の治療を並行して行なっている場合が大半です。すなわちビタミンC点滴だけでなく抗がん剤や放射線照射のような通常療法、あるいは免疫療法やラドン療法、温熱療法、栄養療法などの代替療法を受けていることが多いのです。
従ってガンの病状が改善したとしても、いったいどの治療法が特に効いたのか判然としない場合が少なくありません。とはいえ、それら他の治療法との「相乗効果」が現れたと解釈することも可能です。事実、ビタミンC点滴は抗がん剤などの副作用を軽減し、逆に効能をアップさせるという側面も持っています。
但しビタミンC点滴に実際の運用に当たっては、様々な注意点や工夫が必要なのも確かです・・(続く)
蒲田よしのクリニック(内科)
吉野 真人
〒144-0052 東京都大田区蒲田5-27-10 蒲田TKビル1階
Tel : 03-6424-7071 FAX : 03-6424-7072
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このコラムの執筆専門家
- 吉野 真人
- (東京都 / 医師)
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