全国の都市部では、飲食店を探すとき、大半の人が食べログやぐるなびのサイトを利用します。これだけ広く利用されますと、書かれている文字や数字の違いによって、飲食店は大きな影響を受けます。札幌近郊の飲食店経営者は、食べログに事実と反する投稿をされて被害を受けたと、損害賠償と記事削除の訴訟を起こしました。
札幌の飲食店は、店舗や料理の評価などを書き込める「レビュアー会員」により、今年3月までに2度、事実に反する否定的な内容を投稿されたと言うことです。食べログ側には、店舗情報の削除を求めましたが、拒絶されています。自分のお店の宣伝のために掲載したのに、「不味かった」とか、「雰囲気が悪い」なんて書かれるとお客さんを失くします。
食べログの場合、掲載は無料ですが、サイトへの登録はお店側が行います。電話帳に掲載されている場合は、無条件で載せてくれますし、掲載していない場合も、営業許可証のコーピーを確認して掲載してくれます。そのため以前なら、自分のお店の宣伝を無料で、しかもHPを作ってくれると言うことで、たいへん重宝されたものでした。
ただ、掲載される店舗数が、全国で70万店を超える規模になりますと、トラブルも増えてきます。2010年9月には、佐賀市の飲食店が無断で掲載され、情報の削除を求めて裁判になりました。このときは、11年1月に和解が成立し、食べログ側は情報削除を行っています。お店としましては、悪意に満ちた嫌がらせをされますと、廃業に追い込まれることも起こります。
インターネットばかりでなく、新聞でもテレビでも、情報提供のため店舗を紹介する番組があります。自分のお店を紹介してくれることはありがたいのですが、番組での取り上げ方や店の方針と違いがあると、逆効果になることがあります。上手くいっていない店舗にとってはありがたいマスコミでの露出ですが、繁盛店経営者は多くの人が露出を断っているのも事実です。
【一言】
一昔前と違って、マスコミに取り上げられることが、営業店にとって決して勲章ではなくなりました。わたしの地域の有名店経営者は、ほとんどマスコミに出なくなりました。取り上げられてお客さんが増え、設備を増やすとお客さんが減る。また取り上げられてお客さんが増えを繰り返していると、決して店のためにはなっていないことに気付くようです。
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