- 高荷 智也
- ソナエルワークス 代表
- 静岡県
- 備え・防災アドバイザー
対象:防災
- 松島 康生
- (危機管理/BCP/防災計画コンサルタント)
- 松島 康生
- (危機管理/BCP/防災計画コンサルタント)
こんにちは、備え・防災アドバイザーの高荷です。
我が家には6歳と2歳の男の子がいますが、小さな子どもがいる家庭において地震対策について考えておくことはとても重要です。今日は1歳以下の赤ちゃん、乳幼児がいる家庭で地震が発生したさいの対応、また事前の準備について考えてみましょう。
赤ちゃんがいる世帯で地震が発生した際、重要な考え方は「小さくとも地震の揺れを感じたら、赤ちゃんの所へ駆け寄るようにする」ことです。具体的には…
1)大きな揺れに襲われる前に、赤ちゃんの側に行く
大地震に襲われた場合、揺れが収まるまでは身動きがとれません。大きな揺れに襲われてからでは、赤ちゃんの側に駆け寄ることすらできなくなりますので、揺れが大きくなる前に赤ちゃんの側に行けるようにすることが大切です。
カタカタという小さな揺れを感じた場合、「大丈夫かなぁ…」と周囲を見つめたり、手近なものを何となく支えたりしがちですが、これはNGです。どんなに小さな揺れであっても、揺れはじめた瞬間、また緊急地震速報のアラームを受信した瞬間、赤ちゃんの所へ駆け寄る習慣を付けましょう。それで収まれば「あぁよかった」で済ませればよいのです。
2)赤ちゃんに覆い被さり、抱っこして守る
大きな揺れに襲われた際は、赤ちゃんと自分の身を守ることが最優先です。室内であれば、赤ちゃんに覆い被さる形で守り、屋外でベビーカーに乗せていればべービーカーごと覆い被さるようにし、だっこ紐で抱えていれば赤ちゃんを守るようにうずくまります。
ただし、大人が負傷してしまうと、その後赤ちゃんを守ることができなくなります。自分はどうなっても構わないから、赤ちゃんに傷1つ付けないようにするではなく、赤ちゃんも自分も助かるように身を守りましょう。
3)揺れが収まったら、周囲の状況を確認して行動を決める
揺れが完全に収まったら、赤ちゃんと自分の怪我の状況を確認します。地震の直後には大きな余震がくる可能性がありますから、しばらくは赤ちゃんを抱きかかえたまま、自宅や周囲の状況を確認します。
その後は、自宅に留まるか避難所へ行くかを判断します。自宅の損傷が激しかったり、津波の心配がある地域の場合は、日頃からまとめておいた赤ちゃん用の避難グッズを持って、速やかに避難をはじめましょう。ただし、赤ちゃん連れでの避難所生活は想像以上に苦労しますから、遠くの親戚の家などと事前に話し合っておければ安心です。
また、イザ本番で慌てないようにするためには、日頃から準備をしておくことが大切です。乳幼児がいるお家での地震対策としては、次のようなことを準備しておきましょう
●赤ちゃんの周りを安全空間に
・ベビーベッドや赤ちゃんがいる場所の周りに、転倒物や落下物を置かないようにする。
・大人がいる場所から赤ちゃんがいる場所までの通路にも、物を置かないようにする。
・テレビやピアノなどの重量物は、ベビーベットから離れていても固定する。
●赤ちゃんのための防災グッズを用意
赤ちゃんのお世話に必要な道具を避難所で調達するのは大変ですから、普段から緊急用にまとめておくようにしましょう。地震直後の混乱が落ち着くまでの3日分程度はリュックサックに、流通が回復しはじめるまでの1週間分程度は、自宅に常備するようにしておきましょう。
・普段は母乳であっても、最低限の粉ミルクは用意しておく。
・普段は布おむつであっても、最低限の紙おむつは用意しておく。
・おむつ、おしりふき、ガーゼ、粉ミルクなど、必要な道具は普段から多めに常備するようにして、減ったらその分を買い足すような習慣をつけましょう。
以上
このコラムの執筆専門家
- 高荷 智也
- (静岡県 / 備え・防災アドバイザー)
- ソナエルワークス 代表
備え・防災は、日本のライフスタイル。
「自分と家族が死なないための防災対策」と「経営改善にもつながる緊急時に役立つBCP」のポイントを解説するフリーの専門家。自然災害から原発事故、企業の危機管理まで分かりやすく実践的なアドバイスに定評があり、テレビや各メディア媒体への出演多数。
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