家庭で行う地震対策(サマリー) - 地震・津波(耐震・地盤・液状化) - 専門家プロファイル

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松島 康生
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閲覧数順 2024年12月06日更新

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家庭で行う地震対策(サマリー)

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  1. 人生・ライフスタイル
  2. 防災
  3. 地震・津波(耐震・地盤・液状化)
備え・防災

優先順位があります。
1)死なない環境作り
2)早い生活再建の準備

地震対策といえばまず水とカンパンを想像しますが、地震で餓死するというのはきわめて希なケースです。災害大国日本の場合、少なくとも3日間待てば何かしらの支援を受けることができます。3日間であれば飲ず食わずでも死ぬことはありません。

被災者の体験談から選りすぐった防災グッズを用意しました。地震で大変な思いをした人が本当に役立ったと語る道具。これはいずれも、地震で「死ななかった」人の話です。もちろん地震で死ななかった場合は大切な要素ですが、死者には水も缶詰も不要なのです。

考えるべきは、地震で亡くなった方、または大けがをした方の話、きっと考えたであろうことを想像し、それを元に今後の対策を考えること。まず地震の「揺れ」で死なないこと、そしてその後の付随災害(津波・土砂崩れ)で死なないこと、さらにけがを避けること、この順番で対策を考えることが鉄則です。

■死なない環境作り
1)耐震補強
2)家具の固定
3)ガラスの飛散防止
3)扉の固定
4)非常持ち出し袋

(※非常持ち出し袋は、家が海や川の近く、崖の裏側、木造住宅の密集地など、津波や土砂崩れや火災に襲われやすい地域で必要な準備です。とりあえず走って逃げる際に最低限必要な物、だけを入れておきます。避難所へ持って行くような物とは全く別物の準備です。)

優先順位が高い物が終わってから、低い方を行います。家がつぶれてしまえば家具の固定に意味はありません。食器棚が転倒する状況で扉の固定は無意味です。ガラスが散乱する部屋から、安全に非常持ち出し袋のところまではたどり着けません。


■個別解説
1)耐震補強
耐震補強を行うかどうかの目安の1つに、築年数があります。

▼1981年6月1日以降に設計の認可を受けて建てられた建物。
この基準を境に耐震性能が大きく異なっており、これより古い建物には耐震検査が義務づけられています。これ以降に建てられた住宅であれば、地震で即倒壊ということはないはずですが、余震が続くと危険度は高まりますので、外に避難できるように持ち出し品をまとめておけると安心です。

▼2000年6月1日以降に設計の認可を受けて建てられた建物。
現行の最新基準です。これ以降に建てられた住宅であれば、地震直後に倒壊するということはないはずです。

2)家具の固定
背の高い物、重量物から固定してください。食器棚、タンス、冷蔵庫、テレビ、ピアノなどは特に。持ち家であれば、L字金具やワイヤーで壁に直接固定してください。賃貸であれば、まずそうした固定をしてよいかどうか大家に相談し、だめならば突っ張り棒やクッションゲルなどで固定してください。最終的に倒れてしまったとしても、数秒を稼げれば死なずにすむ確率が高まります。

自宅が高層マンションである場合、建物の倒壊よりも家具による被害の方が心配です。自宅が上階になればなるほど「大地の揺れ」は増幅され、固定されていない家具が室内を「飛び回る」可能性があります。家具の固定は絶対に行ってください。

3)ガラスの飛散防止
寝室の窓ガラス、風呂場のガラスなど、特に無防備な状態になりやすい部屋のガラスから対処してください。その後各部屋に。また食器棚やキャビネットがガラス製であればそこも必要です。なおフィルムを貼る際には、ガラスが飛び出してきて欲しくない面に張ってください。

3)扉の固定
キッチン上部の物入れ、食器棚など、高い箇所の開き扉には耐震ラッチを取り付けて、揺れても物が飛び出さないように処置をしてください。

4)非常持ち出し袋
自宅の場所が下記に属する場合は、避難道具一式をまとめておきます。

・海沿い、川沿い、上流にダムがある谷間→津波・河川氾濫からの避難準備。
・崖沿い、山間部→崖崩れからの避難準備。
・原子力発電所の近隣(およそ50~100キロ圏内)→原発事故からの避難準備。
・工場や石油備蓄基地の近隣→大規模火災からの避難準備。

避難道具一式は、玄関や物置、つぶされない位置にある自家用車の中など、3秒以内に取り出せる場所に普段からおいておきます。押し入れや倒れやすい棚の中に収納されており、「大地の揺れ」ですぐに取り出せなくなった場合は即時にあきらめてください。これを取り出そうとしたばかりに避難が遅れて死亡、という事態は避けるべきです。


■部屋別の対策
-リビング
・テレビは絶対固定、特にブラウン管の場合は必須。テレビは地震の際に「飛びます」。小さな子供がテレビの前にいるときに地震が起こったら…。

・停電時に自動点灯するライトをリビングのどこかにおいておくと安心です。

・背の低い家具は、本や水などの重量物を下段に入れて低重心にすることで転倒を防げます。

-キッチン
・消火器は設置しておくべきだが、揺れている最中に消火するのは無理です。よく天ぷらが火災の原因に挙げられるが、地震の最中に天ぷらをあげているケースというのは希でしょう。燃えやすい物をコンロの周りに置かない、カーテンは不燃処理の物かブラインドを。

・食器棚やキッチン上部の棚には耐震ラッチをつけておきましょう。大きな揺れの前では無駄ということもあり得ますが、無いよりはまし。時間が稼げれば良いのです。コンロに近い棚に油や粉などをしまわないこと。

・ガラスの棚などには飛散防止フィルムを貼ってください。


-寝室
・布団やベッドを直撃する方向に背の高い家具を置かないこと。どうしてもならば寝具と水平に倒れる位置に置いてください。それでもダメなら親の敵のように固定を。

・寝具に接する窓ガラスにはすべて飛散防止フィルムを貼った上で、できるだけカーテンをしめて寝るようにすること。

・枕元には着替え、靴かスリッパ、懐中電灯、皮軍手のセットを。枕型の防災バッグ、ぬいぐるみ型の防災リュックなどもオススメです。


-風呂・トイレ
・着替えとタオルはすぐ取れるところに
・洗面所の鏡には飛散防止フィルム
・トイレの中に閉じ込められた時のために、笛とバールなど


-会社勤めしている方
職場にも避難用の道具を常備しておきましょう。
・スニーカー
・上着
・軍手
・メディカルセット
・食料
・水
・地図
・懐中電灯(暗闇を帰宅するためではなく、安全のため)



以上

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(静岡県 / 備え・防災アドバイザー)
ソナエルワークス 代表

備え・防災は、日本のライフスタイル。

「自分と家族が死なないための防災対策」と「経営改善にもつながる緊急時に役立つBCP」のポイントを解説するフリーの専門家。自然災害から原発事故、企業の危機管理まで分かりやすく実践的なアドバイスに定評があり、テレビや各メディア媒体への出演多数。

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