長蛇の列が出来ると聞いていましたので、仕事を超早い目に切り上げて、9時半にスカイツリーの到着したのですが、「本日は強風のため、前売り券以外の入場は中止します」の張り紙が・・・
強風時に人が多く登るとトップヘビーになって揺れが大きくなるのでしょう、人数を制限して見学させているようです。修学旅行生もスカイツリーまで来ながら順番待ちでがっかりしている様子です。私たちも仕方ないので、はらいせに隣接の隅田水族館に回りました。金額的に見て可もなく不可もなくみないた印象です。
ところで、やはり気になるのはスカイツリー。人を上げているのだから、エレベーターのトラブルではありません。強風の為入場を中止と云いながら、前売り券の人は上がらせている。これは入場制限に近い運営です。強風時に上へ上げる人数を制限させているという事は、やはり人の重さで揺れが大きくなってしまう事を懸念しているのでしょう。東京タワーに比べ底面積の割合を比較すれば、明らかにスカイツリーの方が不安定です。
下から見れば鉄の塊に見えますが、如何に重量を軽減して強度を出すかが技術的な課題だったのでしょう。その為底盤はカタチの上で最も安定的な三角形をしており、上階に上がるに従って丸くなって行きます。裾野の広がりを敷地の関係で切り詰めた結果のフォルムですが、強風の度に入場制限するようでは資金回収もままならないでしょう。ちなみにその日は風速10m前後で、やや風がきついな程度の状態でした。
次回は前売り券を購入して、スカイツリーに登り、望遠鏡で遠くを覗いてどれだけスカイツリーが揺れているのか体感してみたいと思っています。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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また、IAU型免震住宅設計資格取得者として、免震住宅等の相談も行っています。
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