人事訴訟法、訴訟手続、その1 - 家事事件 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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閲覧数順 2016年12月04日更新

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人事訴訟法、訴訟手続、その1

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 第五節 訴訟手続

 

注 人事訴訟法5条は、複数の人の人事訴訟の主観的請求の併合を定めたもの。

人事訴訟法17条は、人事訴訟とそれに関連する損害賠償請求の併合を定めたもの。

 

 

(関連請求の併合等)

第17条

1項  

民事訴訟法では、数個の請求は、同種の訴訟手続による場合に限り、一の訴えですることができるのが原則である(民事訴訟法136条)。その特例として、人事訴訟法17条では、人事訴訟に係る請求と当該請求の原因である事実によって生じた損害賠償請求とは、一の訴えですることができる(17条1項前段)。この場合においては、当該人事訴訟に係る請求について管轄権を有する家庭裁判所は、当該損害賠償請求訴訟について自ら審理及び裁判をすることができる(17条1項後段)。

  人事訴訟に係る請求の原因である事実によって生じた損害賠償請求訴訟は、既に当該人事訴訟の係属する家庭裁判所にも提起することができる(17条2項前段)。この場合においては、当該人事訴訟に係る請求について管轄権を有する家庭裁判所は、当該損害賠償請求訴訟について自ら審理及び裁判をすることができる(2項後段)。この場合における人事訴訟事件及び損害賠償請求事件は、口頭弁論が併合される(17条3項、8条2項)。

 

(訴えの変更及び反訴)

第18条  人事訴訟に関する手続においては、民事訴訟法第143条第1項 及び第4項 、第146条第1項並びに第300条の規定にかかわらず、控訴審の口頭弁論の終結に至るまで、原告は、請求又は請求の原因を変更することができ、被告は、反訴を提起することができる(18条。

「第一審又は控訴審の口頭弁論の終結に至るまで」というのは、離婚事件が第一審だけで終了する場合もあるからである。ただし、最高裁は、法律問題しか取り扱わないため、時期的制限が、控訴審までとされている。

 

原告は、請求又は請求の原因を変更することができ、控訴審でも、被告の同意は不要。

 

被告は、反訴を提起することができ、控訴審でも、被告の同意は不要。

 

請求の変更とは、訴えている請求を他の請求に変更することをいう。具体例として、離婚請求を、婚姻無効の請求、婚姻取消の請求などに変更することなどが挙げられる。

請求の原因の変更とは、訴えている請求を基礎づける事実について、追加、差し替え、削ることなどをいう。具体例として、離婚原因を、不貞行為(民法770条1項1号)から、婚姻を継続し難い重大な事由があるとき(民法770条1項5号)に変更するような場合が挙げられる。

 

反訴とは、本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的とする場合に、本訴の被告が、本訴の原告に対して提起する訴えをいう(民事訴訟法146条1項)。離婚事件では、原告からの離婚請求に対して、被告からも原告に対して離婚請求をする場合が典型的である。夫婦の両方から離婚請求がされる実務上の実益として、お互いが相手方に対して、離婚の原因を作ったのは相手であると主張し、譲らない場合がある。そして、離婚原因を作った配偶者(有責配偶者)の離婚請求は原則として認められず、また、財産分与や慰謝料の請求、親権者の指定などの関連する争点で有利にしようとするケースがある。

 

 

民事訴訟法

(訴えの変更)

第143条  原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することができる。ただし、これにより著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときは、この限りでない(民事訴訟法143条1項)。裁判所は、請求又は請求の原因の変更を不当であると認めるときは、申立てにより又は職権で、その変更を許さない旨の決定をしなければならない(同条4項)。

  請求の変更は、書面でしなければならず(民事訴訟法143条2項)、その書面は、相手方に送達しなければならない(民事訴訟法143条3項)。

 

(反訴)

第146条1項  被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的とする場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

  反訴の目的である請求が他の裁判所の専属管轄(当事者が民事訴訟法第十一条の規定により合意で定めた合意管轄を除く。)に属するとき。

  反訴の提起により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき。

 

 

(反訴の提起等)

第300条1項  控訴審においては、反訴の提起は、相手方の同意がある場合に限り、することができる(民事訴訟法300条1項)。

 

控訴審で、請求の変更、請求原因の変更、反訴の提起に、相手方の同意が必要とされているのは、①日本では三審制が保障されているので、第一審を省略することによる相手方の不利益を保護するため、②相手方に不意打ちとならないため、③審理の遅延や重複を避けるため等の理由による。

離婚請求の請求変更は例えば、離婚取消である。離婚請求の請求原因事実の変更は、例えば、上記のようなケースである。また、離婚請求での反訴は離婚反訴請求である。したがって、訴えの目的や基礎となる事実が同一または類似、共通、関連することから、上記のような不利益や不都合が生じないからである。

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