
- 釜口 博
- BYSプランニング ファイナンシャルプランナー
- ファイナンシャルプランナー
対象:生命保険・医療保険
- 岡崎 謙二
- (ファイナンシャルプランナー)
ファイナンシャルプランナーが天職!
BYSプランニングの釜口です。
今回のコラムは、保険料無料のリビングニーズ特約の注意点
についてお伝えいたします。
日本での生命保険に関するリビングニーズという考え方は、
1992年にプルデンシャル生命がはじめて導入しました。
プルデンシャル生命・カナダのロナルド・バーバロさんが、ボランティア
活動中に、家族にために借金してまで治療をしていたエイズ患者である
既契約者の「私に尊厳ある死を迎えさせて欲しい」という言葉を聴き
創り上げた特約です。
今ではかなり一般的になってきていますので、
リビングニーズ特約の内容は、かなりの方がご存じだとは思います。
「余命6カ月という診断をされた場合に、保険金が受け取れる」
と認識されている方がほとんどだと思います。
ところが、このリビングニーズ特約も注意いただかなければいけない
点があります。以下はその注意点。
1.医師の診断だけでは、保険会社はリビングニーズ特約保険金を
おろしません。
被保険者あるいは、指定代理請求人が医師からの「余命6カ以内」
という診断書を元に、リビングニーズ特約保険金を請求し、
被保険者が「余命6カ月」であると判定された場合に、
やっと保険金を受取ることができます。
また、その判定をするのは保険会社の社医です。
保険会社は医師免許を持った医師(社医)をかかえています。
その医師が余命6カ月という判定をしない限り保険金を受け取る
ことができないのです。
2.余命期間中に使いきらず残ったお金に対しては相続税が課税。
リビングニーズ特約保険金(3000万円が上限)は非課税で受取る
ことができますが、死亡時に使い切らなかったお金に対しては、
相続税が課税されます。
通常の死亡保険の保険金を遺族が受取った場合、
「500万円×法定相続人分」の非課税枠がありますが、死亡時に
使いきらなかったお金に対しては、この非課税枠は使えません。
3.リビングニーズ特約保険金を受け取る際に、6か月分の前払い利息
と6か月分の保険料相当額が差し引かれる。
もし医師及び保険会社の判定で余命が6カ月よりも短い場合、
あるいは、余命6カ月という判定後に6カ月以内に死亡した場合でも
きっちり6か月分の利息と保険料が差し引かれてしまいます。
(プルデンシャル生命は余命期間中のみ差し引く)
4.リビングニーズ特約保険金は指定代理請求人でも請求できるため
被保険者が、自分の余命に気付いてしまう可能性がある。
医師が患者である被保険者に余命宣告をしていない場合でも、
その家族には余命宣告をする場合があります。
指定代理請求人である家族がリビングニーズ特約保険金を請求後、
被保険者がなんらかの要因で、それを知ってしまう可能性はあります。
例:医師が高額な治療を施してくれるようになった
今まで支払っていた保険料が急に安くなった
保険料が無料という性質上、あまり深く考えない方もおられるかも
しれませんが、人間の余命という非常にセンシティブな問題にかかわる
特約であるだけに、請求に関しては特に気をつけていただきたいと
思います。
ご質問やご不明な点がありましたら、
お気軽にご連絡下さい。
メール:waku@bys-planning.com
Tel:06-4305-4425
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