養老保険の基礎知識
養老保険の定義
生命保険には大きく分けて3つの種類があります。死亡保険と生存保険、生死混合保険です。生死混合保険の代表が養老保険です。養老保険は、死亡または高度障害になったときに最初に定めた死亡保険金を受け取り、保険期間終了まで生存していたときに満期保険金を受け取ることができます。
死亡保険金と満期保険金は同額です。つまり、一定期間、死亡に備えながら資産形成をすることができる保険といえます。
他の保険との違い、特徴
養老保険の特徴を他の保険と比較しながらみていきましょう。
死亡保険の代表である定期保険は、一定期間、少ない保険料で高額の死亡保障を得ることができます。ただし保険料は掛け捨てであるため、死亡しなかった場合の満期保険金はありません。
一方、養老保険は高い死亡保障を得るには、毎月の保険料は割高になります。例えば、保険金1000万円でみると、30歳の契約で満期が60歳とした場合、大まかな金額で定期保険だと月々の保険料は5,000円以下ですが、養老保険だと3万円近くになります。
別の角度から比べてみます。毎月支払う保険料をどちらも1万円とした場合、定期保険では1000万円の死亡保障が得られるのに対し、養老保険は200万円ちょっとであったりします。しかし忘れてはならない大きな違いは、定期保険は掛け捨てであるのに対し、養老保険は満期保険金がもらえるということです。
ただ、注意したいのは入院保障や3大疾病保障などの特約を付けると、その特約部分の保険料は掛け捨てとなってしまうため、最終的に受け取る満期保険金が払い込んだ保険料の総額を下回ることもあるということです。
どういう人に向いているか?
養老保険は貯蓄と死亡保障を兼ねる役割があるので、将来、自分の老後や子供の結婚などお金が必要なときに向けて貯蓄しながら、万一のときのためにも家族にまとまったお金を残すことができます。
また、法人の退職金プランとしても使われます。従業員が死亡したとき、死亡保険金がその従業員の遺族に支払われ、満期まで生存していたときは満期保険金を退職金として支払うことができるからです。
これらの特徴をふまえ、この保険が自分にとってどういうところが合っていて、どういうところが足りないかを他と比較しながら検討してみてはいかがでしょうか。
このコラムの執筆専門家
- 高橋 成壽
- (神奈川県 / ファイナンシャルプランナー)
- 寿FPコンサルティング株式会社 代表取締役
FP王子がズバっと解決!
日本では数少ない総合型FPとしてセミナーや個別のご相談を承っております。累計のセミナー受講者数約5000名、年間相談件数200件超、暮らしとお金のことから経営相談など多岐にわたるコンサルティング業務を展開
「生命保険・損害保険」のコラム
損害保険の基礎知識(2014/11/22 00:11)
介護保険の基礎知識(2014/11/15 00:11)
個人年金保険の基礎知識(2014/11/01 06:11)
自動車保険の基礎知識(2014/10/25 09:10)
収入保障保険の基礎知識(2014/10/11 00:10)
このコラムに類似したコラム
法人契約の生命保険の考え方 大泉 稔 - 研究員(2016/08/01 22:58)
保険料無料のリビングニーズ特約の注意点 釜口 博 - ファイナンシャルプランナー(2013/02/01 17:30)
かんぽ生命の不払いが発覚 宮下 達裕 - 保険アドバイザー(2012/12/01 10:46)
生命保険 絶対お得 リビングニーズ特約 森 和彦 - ファイナンシャルプランナー(2012/05/04 23:58)
生命保険会社の儲けのしくみ 釜口 博 - ファイナンシャルプランナー(2012/04/03 17:17)