小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「バカにできない事務処理コスト」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
ユニティ・サポート 代表
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バカにできない事務処理コスト

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 目に留まった事 2008-11-17 00:00
 新聞紙上などでは“定額給付金”なるものの話がたくさん出ています。趣旨があやふやになりつつありますが、ともかく現金でできるだけ早く配りたいようです。ただし実際の事務作業は市町村がやりやすいようにやれと丸投げされてしまい、実施にあたっての具体的手続きは考え出すと問題百出、処理方法の問題だけでなく、人件費ほか相当のコストもかかるだろうとのことです。

 私は評論家では無いので、“定額給付金”そのものについては論評しませんが、この事務処理にかかるコストという面に着目すると、通常の税金還付の手続きから外れて現金で処理しようとしていることが、コストを押し上げている一番大きな要因であると思います。それほどのコストをかけてまで、通常の手続きから外れた方法で、現金で処理する意義があるのかということになります。

 企業においても、この手のことはよくあります。手間をかける意義がわからない指示が下りてきたり、決裁や判断、その他事務処理を先延ばししたシワ寄せが現場に行ったり、経営者や管理者の朝令暮改で手戻りになったり。

 マネジメントにおいて、臨機応変さは絶対必要ですが、それによって発生する事務処理コストを経営者や管理者がきちんと把握した上で、総合判断しているケースは案外多く無いように思います。これを把握するためには、現場で行われていることは細かな事務作業の類であっても、経営者や管理者自身がある程度知っておく必要があり、やはり現場視点が重要だということになります。
 もう一点、新たな事務処理コストが発生する時、その意義が理解されていないと実際に作業する現場のモチベーション、やる気は確実に落ちます。これは組織全体の生産性が落ちることを意味します。

 今、市町村の事務担当者は「なぜこんなやり方をしなければならないのか」とため息をつき、やる気を失っている人がたくさんいると思います。自分たちの会社はそうならないように、経営者や管理者は心に留めておく必要があると思います。
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