小笠原 隆夫
オガサワラ タカオ長寿企業の秘訣は一つではない
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近所の商店街に「おかげさまで55周年」という張り紙をしているお店があります。
私の知り合いにも、とても社歴が長い企業はあり、2代、3代と続いている立派な企業がたくさんありますが、どの会社もそれなりに強みや特徴を持っていて、何となく続く理由がわかるというようなところがあります。
ただ、このご近所のお店は、昔ながらのせともの屋さんで、そんなに目立つ店でも、特徴がある店でもありません。たぶんごく普通の個人商店です。
古くからあるのは知っていましたが、それほど高級品を扱っている様子ではないので、商品の単価は決して高いものではないでしょう。
そもそも食器類は、そんなに頻繁に買うものではない気がしますし、最近は100円ショップやデザイン性がある海外ブランドのお店などもあり、きっと競争は厳しいのではないかと思います。
お店の長寿の秘訣はそれなりにあると思いますが、扱っている商品の性格上、何か流行に乗って爆発的に売れることはないでしょうし、お客さんが行列するようなこともないでしょうから、苦労もされたのではないかと思います。
そんなことを考えながら張り紙を見ていると、何かすごい偉業のように思えます。
一見特徴が無そうな、失礼ながら平凡に見えるお店でも、それだけの歴史を重ねてきているということは、きっと毎日コツコツと、常に地道に継続ということだったのではないかと思います。
特徴を出して、エッジをたてて、という形で勝負する企業はありますが、このやり方は、瞬間風速は出せても、いつかはしぼんでしまいます。次々と新しいものにチャレンジし続けなければなりません。
そのエネルギーも発想力も、とても素晴らしいと思いますが、このお店の経営手法は、きっとその対極にあります。
「経営」は「継栄」であるという言葉を聞いたことがあります。会社は継続して栄えてこそ意味があるということです。
あらためて継続することの大切さと、そのための方法は一つではないということを思いました。
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