大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「"Japan is so weird. Or is it me? (2)"」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
カナダにいらっしゃい!

大澤 眞知子

オオサワ マチコ
( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
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"Japan is so weird. Or is it me? (2)"

- good

Story (Robert McMillan) 2021-01-25 04:31

カナダ大学留学に備え真剣に準備する日本の高校生、コロナで打ち砕かれた高校留学からの復活を目指す日本の高校生のためのSupport Group-カナダクラブ 

その貴重なパートナーであり、UX English (カナダからの英語学習サイト) Administrator でもあるRobert McMillan が語るストーリー”Japan is so weird. Or is it me?”

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クリティカルシンキングの国カナダから日本にやって来た若者が出会った変てこ日本ストーリー
クリティカルシンキング不在の不思議の国日本から、カナダに向かう日本人のために
カナダで出会う180度真逆カルチャーショックへのワクチンとして贈ります。
(日本語訳付き)


Chapter1 - 2 (Missed Chapter1-1? Click here.)   

Arrival (2)

April 4th, 1989, alone in my sleeping bag at Narita Airport, I was caught by a pudgy, bespectacled security guard. “Get up! Follow me!” He had just enough English to round me up.  

I hastily rolled my green sleeping bag up under my arm – proven good for -25ºC in the Canadian Rockies – and did as he said. I didn’t have a choice. So, this is how it ends? Caught by security on my first day. “Deported before arriving,” I thought. The ink visa stamp on my passport still wet. (More self-pity music.)

He led me out of the dark, quiet hall I had found, into a brighter, livelier one. People everywhere, all shades and shapes. Were we all to be deported? “There!” he commanded, pointing down the hall. 

I squeezed myself into a throng of southeast Asian fellas on a bench in front of me. They instantly stopped talking and took turns flashing me rough-looking glances.  

“Ha ha, no!” my security guard, or guide, laughed. “Over there!” he pointed further down the hall towards a group of people who were like me in one way – white.

I spent the night there sandwiched between an Israeli espousing the joys of cheap Thai prostitutes and a Dane trying to convince him he was wrong, immoral, sinful. And that represented hope, as I slowly came to realize that I was not going to be deported. 

27 years.

I’m still trying to digest my life in Japan. And 27 years away from my own country has me looking at it through a different lens. 

Now I’m back in Canada helping Japanese students navigate the realities of my home country – the lifestyle, the education system, the hidden dangers. I’m looking for the smart kids stuck in their own sleeping bags. So that they don’t have to wake up on the floor of an airport from some unholy, unforgettable smell.

Lying flat on the bench above me, an exhausted Japanese man in a grey suit. Shoes off, his feet dangled over one end of the bench, directly above my head.

Japan is so weird. Or is it me?

         (to be continued)


到着 (2)

1989年4月4日、成田空港で一人ぼっちで寝袋にくるまっていると、ぽっちゃりした眼鏡の警備員に捕まった。“Get up! Follow me!” 仕事に必要だから覚えたかなと思える英語で追い立てられた。

緑色の寝袋を急いでクルクル巻いて小脇に抱え – カナダのロッキー山脈キャンプで-25度に耐えた寝袋 – 警備員に従った。まさか逆らうわけにはいかなかった。だけど、これで一巻の終わり? 日本初日に警備員に捕まって終わり? 「到着前に強制送還かぁ」と考えた。パスポートに押されたビザスタンプのインクもまだ乾いてないのに。(悲しい音楽が流れる)

警備員は、僕が折角見つけたた暗くて静かなホールを出て、明るくガヤガヤした場所に歩いた。人がそこかしこにいる。色んな色と形の人が。みんな強制送還? “There!”警備員はホールの先を指差して命令した。

目の前にはぎゅう詰め状態で東南アジア人がベンチに座っていた。僕もその中にぎゅうぎゅう入った。僕が座った瞬間、東南アジア人たちはピタと話を止め「何やお前」みたいな目つきで僕をチラチラ見。みんなが順番に。

“Ha ha, no!” 僕の警備員、いやガイドかな、が笑い声をあげ“Over there!”。 ホールのもっと先を指差した所はに別のグループが。いわば僕と似たグループ – 白人。

その夜は、安いタイの売春婦との楽しみにはまっているイスラエル人と、そのイスラエル人にそんな楽しみは間違っていて不道徳で罪深いんだと言い聞かせているデンマーク人の間にはさまって寝た。そうしている間に希望がわいてきた。強制送還されるのではないんだとちょっとづつ気がついてきたから。

27年。

今、日本での人生を振り返りまとめてみようとしている。けど、母国カナダから27年間も離れていたので、普通のレンズを通して思い出すのは無理。

今、カナダに戻り、日本からやって来る留学生がこの国の現実に立ち往生するのを助けている –  生活の仕方、教育制度、隠れた危険などの現実。自分で持ってきた寝袋にくるまったまま出られなくなった頭のいい日本の子供を探している。空港の床で目を覚まし、生涯忘れることが出来ないほど不浄な臭いの中で目を覚まさなくてもいいように。カナダで助けてあげたいと。

僕の真上のベンチでペタンと寝ているのは、どぶネズミ色スーツの日本人。靴を脱いで、足をベンチの端からブラブラさせている。僕の頭のすぐ上にその足がある。

日本はそんなに変テコ? それとも僕?

(続く)

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