大塚 嘉一
オオツカ ヨシカズ赤いミニ
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私の妻の魅力は星の数ほどもありますが、そのうちの一つに車の運転が上手、というのがあります。自動車を操縦する悦楽を貪欲なまでに追及する癖を有する私です。交際期間中に、彼女の運転を見て、クラッときました。
運転の上手、下手は、状況判断とそれに対する対応がそれぞれ迅速且つ的確にできるかどうかによります。一般に女性ドライバーは、それらの条件のいくつか又は全部を満たしていない人が多いようにお見受けします。
聞くと、彼女はミニで、峠の山道をタイヤの音を軋ませながら、かっ飛ばしていたそうです。
ミニと言えば、イギリスのアレック・イシゴニスの生んだ名車で、前輪駆動車の元祖の一つです。今でこそ、技術の進歩のおかげで、前輪駆動車も後輪駆動車も区別なく運転できますが、初期の前輪駆動車には、相当、クセがあったはずです。
彼女が、操縦が上手いのは、車だけではありません。私は、操縦される喜びというものがあるのだということを、彼女に教えられました。今も、時折、彼女を喜ばせるために、汗をかいて峠を駆け上っていく赤いミニの姿が目に浮かぶことがあります。
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