大塚 嘉一(弁護士)- コラム「マセラティに乗るということ」 - 専門家プロファイル

大塚 嘉一
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オオツカ ヨシカズ
( 弁護士 )
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マセラティに乗るということ

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クルマ 2012-10-19 17:45

 マセラティは、本国イタリヤでは、フェラーリよりも歴史があり、格が上だとされています。創業者たちはレースが好きで、営業不振でブランドを手放しても、またレースを始めたほど。タレントの堺正章さんが、クラシックカーレースで乗っているのもマセラティの古いレーシングカーです。

 私は、10年くらい前まで5年間ほど、マセラティ・クーペに乗っていました。こちらは現代の車です。弁護士業務に、プライベートにと、フルに使っていました。深夜の高速道路、右足の踏み加減に即時に追従して、エンジン音のトーンを上昇させながら、天井知らずに加速していくそれは、ああ、このまま死んでもいい、と思わせたものでした。実際には死ぬことはありませんでしたが。

 車には、それを愛する人々にも、特定のキャラクターが認められるようです。あるブランドの車〇〇の話、一人のオーナーが、その車をある店舗の店先に駐車したところが、同じブランド車の年配のオーナーがやってきて、〇〇を野外に停めるとは何事だ、と叱責された、ということがあったそうです。とても濃い人間関係が形成されているのでしょうか。

 それでは、マセラティの場合はどうでしょうか。

 これは私が実際に経験したこと。私の運転する金色がかったシルバーのマセラティの調子が悪くなり、道路傍に停めていました。そのとき、対向車線を走る同型車の影が一瞬、私の視界をよぎりました。すると間もなく、その車は、再び姿を現し、程よい位置に停まりました。車のドアを開け、出てきた青年は、こちらに歩み寄りながら、どうしましたと声をかけてくれました。私は、大丈夫です、JAFを呼んでありますからと応えます。するとその青年は、白い歯を見せて、片手を挙げながら、その場でくるりと反転。そして何事もなかったかのように自分の車に乗りこみました。快音をあたりに響かせながら、一瞬大きくなり、瞬く間に小さくなっていくマセラティ。纏う衣装は、純白。

 そもそも、街中でマセラティの同型車が遭遇することは滅多にありません。すれちがうだけでも珍しいのです。気づけば、お互い、好きなものはやめられませんね、と同情しあうという感じでしょうか。ですから、マセラティが故障で止まっているなら、つい声をかけたくなります。求められれば、援助もするでしょう。しかし、それ以上は立ち入らない。

 これが、私が感じるマセラティの距離感です。

 我が家の小動物たちが、手がかからなくなる日を夢見ながら毎日実用車に乗る今の私です。

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