堀江 健一(恋愛恐怖症・心の問題カウンセラー)- コラム「アメトーク2 2016反省会2 自分は話が面白くない、自分はつまらない。」 - 専門家プロファイル

堀江 健一
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( 東京都 / 恋愛恐怖症・心の問題カウンセラー )
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アメトーク2 2016反省会2 自分は話が面白くない、自分はつまらない。

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恋愛心理 自己受容 2017-12-07 12:49

前回から引き続きアメトーク 2016反省会で反省していた芸人さん達の話から、

今回は、人を笑わせたいと思う時に生じる、人の心理について書いてみたいと思います。


みんなの反省が披露されるそんな中、お笑いコンビ・ジャルジャルの反省です。


●去年(2015年)は奇抜な活動を色々やったが、まったく反響が無かった。
●フランスで公演をした
●ヌード写真集を出版した
●DVD連続12枚発売
どれもダメだった(大して話題にならなかった)。

★それで、呼ばれた番組で、堅実に結果を残していこうと思ったが、なかなか番組のオファーが無い。
★自分達は特別な笑いのセンスがあるような芸人では無く、ごく普通の人間だから、ネタ作りを入念にしなければきちんと笑いが取れない。
★M-1グランプリにも決勝まで進めたが、優勝はトレンディエンジェルにさらわれてしまった。
★そんな時、M-1グランプに関するインタヴューを受け、「やっぱりトレンディエンジェル、面白いですわ」と笑いで返せれば良いのに、プライドが邪魔してそうは言えず「、、、いやー、、、あの勢いには勝てないすっね」なんて生真面目に答えてしまい、そう答えた瞬間に「あーまた自分のプライドが邪魔した!あーくそっ、何してんだ」「ただの普通の人間や」と、もがきたくなったそうです。

そして
★ついさっきも、番組の最初に、司会のお二人から「ジャルジャル、このテーマでの出演も、今年で2回目やね」と振ってもらったのに、普通に「はい」で終わらせてしまった。
★僕たちもアドリブ効かないから、ほとんど最初に話を振られる事なんか無いから、まったく油断していた。
芸人なんだから一言二言つかみの笑いを取るべきなのに!
(反省点が多い芸人として呼ばれているのだから)せめて恥ずかしがるとかすれば良いのに!
と、悔しがります。

でもその話を聞いていた雨上がりの二人も観客さんも、彼らに言われるまで「最初にまずジャルジャルに話を振った」と言う意識さえ無かったようです。

また福徳さんが1人で町のロケをする番組で、ボケで番組名を何度も間違えると言うネタをしたところ、誰も突っ込んでくれず、ディレクターが、「それマジで間違えてんの?」と不安になって聞いて来たそうです。
そこでも「頭でもかきむしって、あー間違えちゃってすみませ~ん」とか陽気に返せば良いのに「いや、ボケに決まってるじゃないすか!」なんて、空気悪くなる様な返し方しちゃって、ほんとに落ち込むんです。

なんて話がされました。


他の出演者の方々とは質の違う、内面的な反省内容で、とても興味深く印象に残りました。
お笑いを仕事にしているお二人にとって、「人を笑わせるための根本的な反省」の様に感じました。


自分達は、前もって練りに練ったネタには自信があるものの、アドリブになると心の余裕が無くなり、聞かれたことに対し普通に真面目にしか答えられない、と言う事の様です。
そして自分達は「面白くない」と自信も無くしてしまっているようです。
でもそんな、自分達は面白くないと言う反省も、こうしてアメトークで話せば“面白い話し”として披露できるのですから、アメトークと言う番組は他のネタ番組とは異質な特色のあるバラエティーのように思います。

素のままの、すごく面白い話が出来なくても、MCや他の出演者が助けあって笑いに変えてくれる。
そんなスタジオの暖かい連帯感が魅力に思います。

「○○芸人」と言う毎回違う狭いくくりのある共通項で繋がった芸人さん達が集まり、等身大の素顔が垣間見れる所が面白いと思います。(とは言えプロですから、どこで笑わせるかは、みなさんちゃんと考えておられるのでしょうけれど)


日常私たちも人と会話をして、「あぁっ、あの時なんでもっと気の利いた事が言えなかったんだろう!」と落ち込んでしまう事ってありますよね。
私も、結構夜中にふと思い出して、頭を抱えたくなることがあります。
そんなことがあると、次の飲み会に出るのも嫌になってしまったり。


クライエントさんの中にもかなり「自分の話は面白くない。自分はつまらない。人に興味を持ってもらえるような話が出来ない。どんな話題を話せば良いのかわからない」と悩まれている方がおられます。


人を笑わせるのが上手な人には憧れてしまいます。


「飲み会のキング」「宴会の支配者」と言う様な言葉もある通り、楽しい飲み会を仕切り、面白い話題を振ってみんなを笑わせる事が上手な人がおられるものです。


また、逆に「俺は面白いぜ」と自信過剰な人もいて、そんな人が「さぁ笑わせてやるぜ」と放ったギャグほど、何かわざとらしいと言うか、計算が見えてしまって引いてしまう事もあったりするものです。

特に男性は
マスコミのアンケート記事で女性にモテる条件として「話が面白い人」が上位にあると書かれていたり、

恋愛マニュアル本には「とにかく笑わせて好感度を上げろ!」みたいな事が書かれており、

「面白い基準」が標準よりもかなり高く設定されてしまっているように思います。
実際には信頼性のあるアンケートをみると、真剣な恋愛を望んでいる女性にとって、面白いかどうかなどはさほど重視されていな様なのですが、

もはや「面白くなければモテない」「だから面白くなければいけない」「面白くない自分は好かれない」と言う神話が刷り込まれてしまっているようです。

プロの芸人さんはもちろんでしょうが、笑わせたいと強く願えば願うほど「もしすべってしまったらどうしよう」と言う不安も強くなってしまうものかと思います。


人を笑わせると言う事を考えた時に
●人を笑わせられるすごい自分になりたい。
●ただ純粋に人を笑わせて楽しませたい。
と、少なくとも2つの感情があるのではないでしょうか?


前者が全面に出てしまうと、明らかに良くも悪くも自意識が強く働いてしまう事となるでしょう。
あまりに「すごい面白い自分」と「スベッテしまうのが怖い自分」のギャップが激しくなるほど緊張度が増してしまい、周りはそれを感じて笑えず、結局スベってしまう結果になるのではないでしょうか。
「人を笑わせる」とは、非常に微妙な心のバランスが必要とされる高度な行為なのだと思います。


そんな笑いに関して自分の自意識と向き合いながら「人を笑わせるとはどういうことか?」と言う難問を文学作品として書かれたのが又吉さんの「火花」と言う小説かと思います。


「火花」は面白く読ませて頂きましたが、読んでいて愉快になるような小説ではありません。


売れたくてもなかなか花が咲かない芸人さんと、その芸人さんが天才と憧れる先輩芸人さんの2人の芸人が、もがいて悩んで試行錯誤して、やがて消えて行くまでを描いているのですから、読んでいると苦しくなって来ます。辛くなります。
にも拘らず、本が売れない今のご時世の中で、驚異的に売れたようです。


その背景には、

芸人の場合
売れたい⇒面白い話をする=人気が出る

一般人の場合
好かれたい⇒面白い話をする=モテる

と、少し動機に違いはあれど、「売れたい」も「好かれたい」も、どちらも人に認めてもらいたい

と言う強烈な願望があるのではないかと思います。

又吉さんは、芸人と言う特別な職業の人々の生きざまを描きたかったのでは無く、誰もが持っている「人から認められたい」と言う渇望を抱く普通の人々の葛藤を描きたかったのではないでしょうか?
だからこそみんなにドラマ化されたりコミック化されたり映画化されるほど受け入れられたのではないだろうかと思います。

でも、この「火花」を書く事が出来るのは、お笑いお芸人であり、作家でもある又吉さんしか書けないものだったでしょう。

私もこのブログで、

私の「お笑い哲学」とか「芸人評論」を書きたいと思っているわけではありません。
次回もお笑い芸人さんを題材に、「人から認められたい」と言う、私達のような普通の人達の気持ちの有り様を書いてみたいと思います。
 


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