対象:人事労務・組織
現在、特定派遣の会社に勤めております。
最近、新しく請負形態が増加しております。
従来の派遣形態では残業をして、時間を稼げば稼ぐほど会社の利益も向上したのですが、請負形態では残業をしないでアウトプットにつなげるという事が求められています。
請負形態の社員はモチベーションも高く、会社の利益率も考えて残業をしないように業務に取り組んでいます。
ただ、残業の部分が単純に減ってしまい、本人への頑張りに会社として答えられておりません。
請負形態での人事制度では一般的にどのように考えて評価や報酬としているのでしょうか?
tomozou-stさん ( 埼玉県 / 男性 / 30歳 )
回答:2件
何を成果として捉え、どう評価するか
なかなか正解がある話ではないので、概念的な部分を述べさせて頂きます。
派遣の場合は顧客の指示に基づいて作業する形ですから、本人の努力と会社の利益が直接繋がりづらいはずです。(残業代はあくまで「労働の対価」なので利益うんぬんとは関係ない)
対して請負の場合は、「納期・品質・コスト」を、一定の制約条件の下に自分達でマネジメントをしますから、現場の生産性、メンバー個々の能力が直接業績にかかわってきます。その頑張りに報いたいと考えるのは当然と思いますが、請負の場合は、失敗で大赤字という事もあり、それに応じてマイナスということはちょっとやりづらいでしょう。
請負では初めから制約条件が厳しく、収支トントンなら大成功というような事や、過小見積でいきなり火を噴いたなどということもあります。品質を保ってコストを下げるのは基本は現場責任でしょうし、適正利益を得られるように顧客と条件を詰めるのは、営業責任でしょう。案件個別の目標を決め、その結果との対比で評価することも必要になると思います。
残業代の問題による貢献度と報酬のアンバランスは、ご質問のようなケースだけでなく、例えば管理職より残業した一般社員の方が収入が多いなど、他にも同じような事が起こります。残業の質を評価し、管理することも必要になってきます。
一番の基本は何を成果として捉えるのか定義し、それが誰の貢献なのかを評価し、どんな形でどの程度を成果配分するのかということになります。派遣でも請負でも、個々が評価されるべき成果は何なのか、売上利益には誰の貢献がどの程度なのか、などです。
反映方法も昇給昇格、賞与、その他インセンティブなどいろいろです。案件の人件費予算に基づいて、予めみなし残業代として支給を上乗せしておく方法もあります。
これらを整理して、自社の状況を踏まえた仕組みを作るということで取り組まれてはいかがかと思います。
評価・お礼
tomozou-stさん
ご回答ありがとうございました。
請負契約での人事制度について特に
実際に業務を行う技術者とは別の営業担当者の裁量が
大きく、なかなか利益率だけでは決められないので
難しいと悩んでおりました。
ありがとうございました。
回答専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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本田 和盛
経営コンサルタント
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請負社員の評価
凄腕社労士 本田和盛です。
請負は派遣と異なり、仕事の完成を一定の金額で発注者から請け負う形態なので、
請負会社としては、いかに人件費を増やさないで利益を上げるかに腐心します。
請負社員の評価は、生産性です。時給が同じであれば生産性の高い労働者が高く評価されます。
仕事に慣れて作業能率が上がると、会社としても人件費が割安になるので、利益が出る分を
昇給という形で労働者に還元します。
ただ、儲けることしか考えない会社は、生産性の向上分を賃金に還元せずに、会社の利益
にしてしまいます。そうなると、労働者が生産性を上げて残業をしなくてすむようになれば
なるほど労働者だけが損をしてしまいます。
請負会社が労働者を安く使おうとするのは、労働者の人件費を抑えることが利益の源泉に
なるからです。ただ行き過ぎると、労働者のモティベーションが下がりますので、バランスが
大切になります。
(現在のポイント:-pt)
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