対象:事業再生と承継・M&A
弊社は従業員5名の零細会社です。(資本金1,000万円)
私も高齢で親族に後継ぎもなく、そろそろリタイアを考えていたところ、同業で弊社の事業を引き継いでくれるスポンサーが見つかりました。
会社の銀行借入れ残高については、生命保険金を解約し返済する予定ですが、その他会社財産に見るべきものもなく、雇用を引き継いでもらうことと引き換えに、無償譲渡を条件にスポンサーになってもらい、2,000万円の出資で同業を引き継ぐという内容です。
そこで、お聞きしたいのですが、通常であればスポンサー会社に私の持っている株を譲ればよいと思うのですが、今回は無償で株を譲るわけで、出資の受け入れと私の株の処理方法がわかりません。
どのような手続きを踏めばよいでしょうか。
ちなみに役員は私以外に妻と弟が取締役ですが、株主は私一人です。
また、従業員はスポンサー会社に今と同条件で引き継がれることになりますが、その際必要な手続きがあれば教えてください。 会社は社会保険に加入しています。
初歩的な質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
いっとくさん ( 東京都 / 男性 / 65歳 )
回答:3件
平井 宏治
経営コンサルタント
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事業譲渡ではありませんか?
株式譲渡によるスポンサーへの事業承継でしたら、このスポンサーへ貴殿がお持ちの株式を譲渡すれば済みます。会社にとっては、大株主が貴殿からスポンサーに代わるだけですので、御社側での従業員に関する手続は不要です。
事業譲渡とは、会社の一部もしくは全部の事業を他社に譲渡する行為で、スポンサーが準備した会社もしくはスポンサー自体へ御社から従業員や営業資産、営業権などを譲渡します。スポンサー側にとって、事業譲渡は、株式買収と違い御社の資産をすべて抱え込みませんので、債務保証といった簿外債務を負うリスクを回避できますが、スポンサー側で御社から譲渡を受けた資産の名義変更などが必要になります。
事業譲渡の場合、従業員は一旦御社を退職し、スポンサーが用意した新会社へ新規採用されます。後は、スポンサー側で、新規採用者に関する諸手続を行うことになります。御社側では、従業員への解雇予告、解雇、退職金の支払などを行います。
この文面からですと、個人的には、スポンサー側で新会社を2000万円で設立して、この会社が御社から事業譲渡を受ける様な気がします。しかし、株式を無償譲渡するとも書かれておりますので、貴殿からスポンサーへ株式譲渡した後に、スポンサーが会社から2000万円の増資を引き受けるということも想像もできます。
仮に、事業譲渡とすれば、貴殿は事業譲渡後に現会社を清算することになるでしょう。この場合、特に会社清算に関する税負担に留意する必要がありますので、この場合は、顧問税理士とよく相談されることをお勧めします。
後藤 義弘
社会保険労務士
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ご質問ありがとうございます
いつもAl About ProFileをご利用いただきありがとうございます。
ひとまず、ここではいっとくさんのご質問のように 「無償」 の株式譲渡によるオーナーチェンジを行う場合の一般的な手続きの流れをお伝えしておきます。
なお、具体的な手続きにつきましては、非常に専門的なお話となるので、顧問税理士の先生など専門家の方にご相談ください。
もしいっとくさんの周りにそのようなご相談できる方がいない場合、ご相談は無料ですので弊社までお気軽にお問い合わせください。
**''■ step-1 : 資本金の額を 「ゼロ」 にする''
まずは資本金1,000万円を 「ゼロ」 にし剰余金のマイナスを消す会計処理、つまり損失補てんを行います(((1) 『資本金』 ⇒ (2) 『その他資本剰余金』 ⇒ (3) 『その他利益剰余金』 と振替えますが、(2) ⇒ (3)間の振替えは (3) がゼロとなる額が上限となります。)) 。 なお、同手続きには、会社法上の一定の手続き [株主総会決議・債権者保護手続き等] が必要となるので専門家の方の指示に従い進めてください。
**''■ step-2 : 会社が株式を 「無償」 で引き取る''
いっとくさんが現在保有している全株式を無償で会社に譲ります。
**''■ step-3 : 引き取った株式を 「消却」 する''
step-2で引き取った株式を消却 [帳簿から末梢] します。
この手続きは 「取締役会決議」 をもって行います。
**''■ step-4 : スポンサー (新オーナー) に株式を発行する''
スポンサーからの出資2,000万円を受け入れ、新株式を発行しこれをスポンサー会社に割当てます。 (第三者割当増資)
補足
((現在資本金が1,000万円ということですが、今回2,000万円の出資を受入れ、その全額を 「資本金」 に計上すると、増加分1,000万円に対し別途登録免許税がかかってしまいます。 もし大きな資本金額を計上する必要がないようでしたら、資本金の計上額を現状と同じ1,000万円にとどめ、残り1,000万円は 「準備金」 に計上することをお勧めします。 (登録免許税の節約になります。)))
これで株主の変更は完了し、続いて新役員の選任に移ります。
**''■ step-5 : 役員を変更する''
おそらく、スポンサー会社から役員となるべき方が来られるものと思われます。
これら一連の手続き (step-1/4/5) には 「株主総会決議」 が必要となりますが、これらを一回の決議で済ませます。
**''■ step-6 : 登記する''
資本金の額、役員などの変更に伴う 「登記」 を行い一連のオーナー (役員) チェンジに関する手続きが完了します。
''▼ 従業員の引き継ぎについて''
オーナー (株主) 変更に伴う人事労務面特有の手続きは不要ですが、代表者の変更があるので、これに対し社会保険について代表者変更の届出が必要になります((一方労働保険 [雇用・労災] については代表者変更に伴う届出は特に必要とされていません。))。
もっとも、従業員の方の被保険者資格に影響はないので、下記変更届を社会保険事務所へ提出すればよいでしょう。
''事業所関係変更届''
また、いっとくさん他退任される役員のみなさんが社会保険に加入されている場合は、別途その資格の喪失手続きが必要となります。
''被保険者資格喪失届''
*''◆◇ 組織再編・事業承継はYSCのビジネスソリューションを ! ◆◇''
''ご相談は「無料」 まずはお気軽にお問い合わせください!''
''弊社WEBサイトはコチラ'' → http://www.ysc-business.com
岡部 徹
税理士
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税理士 岡部
事業承継というよりも、営業譲渡の感じがします、
営業譲渡契約書が必要になり、債権・債務・社員に社会保険・その後の雇用契約等、
すべき事は沢山あります。
宜しければ電話を下さい。
岡部徹税理士事務所 5340-2501
(現在のポイント:-pt)
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