対象:住宅設計・構造
建築に関する質問です。
2階の筋交いが逆だった事です。
4月に新築一戸建てを何とか購入できたものです。
2階にエアコンをつけようと、工務店の担当さん立ち合いで、穴をあけました。
すると筋交いが逆で穴をあけなおすはめになりました。
調べてみると2階の筋交いが11ヶ所中10ヶ所が筋交いが図面とは逆方向で付いてました
工務店の担当さんに問い合わせると、大工さんの都合で変えることがあり、筋交いは方向が図面と違っていても一本いれておけば、大丈夫との事でした。
素人の自分が考えても1階が右上がりだったら2階は左上がりの方が強度が高いと思うのですが、うちは1階も2階も右上がりになってしまいました。
本当に強度は大丈夫でしょうか?心配でなりません。
もし強度が落ちるようでしたら、どのような対策をすればよいでしょうか?
よろしくお願いします。
ハニカズムさん ( 福岡県 / 男性 / 43歳 )
回答:3件
佐藤 靖生
建築家
3
筋交いの向きについて
ハニカズムさん、初めまして
佐藤靖生と申します。
基本的には筋交いは圧縮側が有効とされて来た為に1、2階の筋交いは「く」の字
のように配置した方が良いとされていました。
しかし最近は筋交いを固定する部分(柱や梁などとつなぐ部分)に箱形の金物を
使う為に圧縮と引っぱりの両方に有効になっています。その為に向きに関しては
少々の事は許されますが、必ずしも良いとは言えない部分でもあります。
(あいまいなのは現場を見ないと分からない事が多いため、お許しください)
やはり筋交いの方向はバランスが取れている事が大切ですので、その点は把握したい
部分では有ります。
専門的になりますが筋交いの配置により地震などの時に家が回転する「軸」の調整など
色々と有ります。
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まずは筋交いの向きを把握されてはいかがでしょうか?強度などのご心配はこの部分が
分かりますと、次のステップが見えて来るとおもいます。
また、工事中の写真等が有ればより良いでしょう。設計者または監理者に依頼して
保存される事も得策です。一般的には監理者は記録とっていると思われます。
評価・お礼
ハニカズムさん
ありがとうございました。
写真があるそうなので取り寄せてみたいと思います。
木村 真理子
建築家
6
筋交いの向きと家の強度との関係
ハニカズムさん、はじめましてこんにちは。
木村建築研究室、木村真理子です。
ご質問の主旨は、筋交いの向きと家の強度との関係ですね。
一般に筋交いは、1階と2階で「く」の字に入れると言われてきましたが、必ずしもそうならなくても心配はありません。
筋交いは、平面の中での量とバランス。また、通り(面)の中での向きのバランスが取れている事が大切です。
平面の中での「量」のバランスというのは、家の重心と剛心が離れないように。つまり、横から大きな力がかかったときにねじれないようにということ。
通り(面)の中での筋交いの「向き」のバランスは、同じく横から大きな力がかかったときに、筋交いが圧縮と引っぱりの両方にバランス良く効いてくれるようにということです。
というわけで、筋交いは、上下階の向きよりも筋交い端部の固定の仕方や平面上や通り上のバランスが大切です。
また、家の強度は、筋交いだけではない耐力壁の剛性の量とバランスによって決まります。
曖昧なままにしておくのはご心配でしょうから、この際、そのあたりを設計者に再確認されてはいかがでしょう。設計の段階での計算資料があるはずですので。
また、通し柱については、通し柱の中央に「く」の折れ部分が来ていると、地震時の通し柱の損傷が心配ですので、そのあたりも併せて設計者に再確認されるのがいいと思います。
評価・お礼
ハニカズムさん
丁寧な解答ありがとうございます。
昨日新しい計算資料を工務店から頂き、説明してもらいました。
強度は問題ないとのことで安心しました。
本当にありがとうございます。
森岡 篤
建築家
3
圧縮筋かいと引張筋かいは異なるが
ハニカズムさんこんにちは
パルティータ建築工房の森岡です。
片側方向の筋かいの向きのご質問ですね。
図のように左上がりの筋かいの上部に右方向の力が働くと、筋かいには圧縮力が働きます。
右上がりの筋かいに右方向の力が働くと、筋かいは引張力が働きます。
筋かいに、圧縮力が働く場合と、引張力が働く場合とでは、実際は、圧縮力の場合の方が耐力が高いのですが、2階建ての計算に用いられる「壁量計算」では、同じ(倍率)とみなす規準となっています。
従って、ハニカズムさんのお宅が、2階建てであれば、向きを変えても、合法の範囲内ということになります。
3階建ての場合、「壁量計算」より精度の高い「許容応力度計算」が必要となるのですが、この場合は、圧縮筋かいと引張筋かいは、耐力は異なり、圧縮の方が引張より高い評価(倍率)となっています。
「1階が右上がりなら2階は左上がりの方が強度が高い」ということではありません。
1階、2階共同じ方向で構いません。
圧縮側と引張側、つまり右上がりと左上がりの耐力が異なるので、同じ階、同じ方向で、右上がりと左上がりが、同数に近いのが望ましいわけです。
図面と変更したことが問題なのでなく(手続きはともかく)、結果的に右、左の数がアンバランスかどうかです。
アンバランスの場合、どの程度余裕を持った設計かどうかとなります。
いずれにしても、2階建ての場合は、基準法の規定(規準)ではOKの範囲の話ですので、余り心配なさらなくてよろしいかと思います。
参考にしていただけたら幸です。
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東京都中野区の建築設計事務所 注文住宅/二世帯住宅/リフォーム
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評価・お礼
ハニカズムさん
わかりやすい 回答ありがとうございました。
安心しました。 また何かありましたら、よろしくお願いします。
(現在のポイント:-pt)
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