対象:住宅設計・構造
森岡 篤
建築家
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圧縮筋かいと引張筋かいは異なるが
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ハニカズムさんこんにちは
パルティータ建築工房の森岡です。
片側方向の筋かいの向きのご質問ですね。
図のように左上がりの筋かいの上部に右方向の力が働くと、筋かいには圧縮力が働きます。
右上がりの筋かいに右方向の力が働くと、筋かいは引張力が働きます。
筋かいに、圧縮力が働く場合と、引張力が働く場合とでは、実際は、圧縮力の場合の方が耐力が高いのですが、2階建ての計算に用いられる「壁量計算」では、同じ(倍率)とみなす規準となっています。
従って、ハニカズムさんのお宅が、2階建てであれば、向きを変えても、合法の範囲内ということになります。
3階建ての場合、「壁量計算」より精度の高い「許容応力度計算」が必要となるのですが、この場合は、圧縮筋かいと引張筋かいは、耐力は異なり、圧縮の方が引張より高い評価(倍率)となっています。
「1階が右上がりなら2階は左上がりの方が強度が高い」ということではありません。
1階、2階共同じ方向で構いません。
圧縮側と引張側、つまり右上がりと左上がりの耐力が異なるので、同じ階、同じ方向で、右上がりと左上がりが、同数に近いのが望ましいわけです。
図面と変更したことが問題なのでなく(手続きはともかく)、結果的に右、左の数がアンバランスかどうかです。
アンバランスの場合、どの程度余裕を持った設計かどうかとなります。
いずれにしても、2階建ての場合は、基準法の規定(規準)ではOKの範囲の話ですので、余り心配なさらなくてよろしいかと思います。
参考にしていただけたら幸です。
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評価・お礼
ハニカズム さん
わかりやすい 回答ありがとうございました。
安心しました。 また何かありましたら、よろしくお願いします。
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この回答の相談
建築に関する質問です。
2階の筋交いが逆だった事です。
4月に新築一戸建てを何とか購入できたものです。
2階にエアコンをつけようと、工務店の担当さん立ち合いで、穴をあけました。
す… [続きを読む]
ハニカズムさん (福岡県/43歳/男性)
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