7歳になるミニチュアダックスについて

動物行動専門の獣医の千田純子です。

ご飯を食べる時に吠えるのは要求吠えですし、物を取ろうとすると攻撃してくるのは、所有性の攻撃性だろうと想像できます。どちらにしても叱って収まるものではないでしょう。

要求吠えは、静かにしている時にご褒美やご飯を与えるようにしてください。と言ってもそんなに簡単に吠えやむわけではないでしょうが、吠えたからご飯をあげるのではなく、指示に従ったらあげるようにしてみてください。「静かに」という号令を教えて、吠え止んだらご飯をあげるというトレーニングが良いと思います。「叱る」という行為は犬には理解できないことが多いので、まずは叱らずに「教える」ことから始めてください。

物を取ろうとすると噛みついてくるというのは、「取られる」恐怖があるのだと思います。まずは部屋の中で自由にするときは安全管理のために首輪とリードをつけ、何か危険を感じたら、リードを持ってケージやクレートに戻してから考えるようにしてみましょう。叱ったり、怒鳴ったりすると、さらに恐怖を高めてしまうので、攻撃行動がひどくなることがあります。

食べ物に対するモチベーションは高いようなので、ご褒美を使ったトレーニングをすれば、改善できると思いますが、攻撃性も出ているので、専門家の指示を仰いだ方が安全でしょう。小さな子どもがいる場合は、ミニチュアダックスちゃんにバスケットマズルをするなりして、安全管理をしてください。

以前そのぐらいのよく似たケースの相談を受けたことがありますが、２週間に一度くらい通ってもらって、６ヶ月ぐらいで改善しました。７歳ですので、そんなにすぐに良くなるわけではありませんが、愛情を持って、あきらめずに対応していれば、赤ちゃんと添い寝ができるミニチュアダックスちゃんになりました。

「手を触る」「ワンちゃんのそばにある物を取る」
「物を取り上げようとする」
これらはaaann様ご本人は噛まれることは
ないのでしょうか？
「私以外の家族が」
とあるので、aaann様なら噛まれることなく
手を触るなどが出来るようでしたら、
他のご家族とワンちゃんとの「関係性」が
出来ていないから噛まれてしまう
可能性があります。

しつけと聞くと、
「犬をトレーニングする」
と言うイメージがあるかと思いますが、
実は飼い主様のトレーニングでもあります。
一緒になってトレーニングをする事で、
「関係性」を構築出来て、信頼関係などが
築けます。
物を取ろうとすると噛まれるのは、
信頼関係が出来ていないからかもしれません。

叱って効果があるのは、
「関係性」が出来てからです。
まずはワンちゃんとの「関係性」を
構築するためのトレーニングを行って、
「褒めて貰いたいな」
「指示に従いたいな」
と思うようになってから、
「吠えるより黙っている方が褒めて貰える」
「噛んで拒否するような人ではない」
と理解させれば、問題行動も
徐々に減るのではないかと思います。