公務員の面接試験

ご質問者の気持ちは良くわかります。
実際に、流暢にソツなく受け答えた人が不合格になり、しどろもどろや、
質問に対して「わかりません」と複数回も答えた人が合格しています。

面接は何を判断するために行うか、を知ると納得できると思いますので
お伝えしますね。
これは地方公務員に限らず、採用面接全般に通用します。

1次の筆記試験は、業務遂行に必要な基礎学力の有無を判断すると
同時に、応募者すべての面接をするのは物理的に無理ですから、
「足きり」という要素があります。
国家公務員のように筆記や論文、面接などの点数配分がある場合は別と
して自治体は原則そうです。

面接は筆記では判らない「人物」を判断する選考ですが、「人物」の
何をみるか＝選考基準となります。
ポイントは６つです。

１．公務員としての資質・姿勢があるかどうか。
（倫理観、公務員に必要な考え方や姿勢）
２．積極性・自立性・社会性・論理性・協調性など
働く上で必要な要素が備わっているか（現時点で100点を求めて
いません）
３．コミュニケーション力
市民への対応、同僚や関係する様々な人と双方向のコミュニケーション
が取れるかどうか。
４．ストレス耐性
仕事では理不尽な状況や困難な状況に必ず出会います。そのような
時に折れずに業務を遂行できるかどうか、ストレス耐性がどの程度か。
５．本気度・熱意
公務員においては単に安定性や、残業が少ないなど民間企業からの逃げで
応募する人もおり、本気で熱意を持って仕事を全うしようとする気持ちが
あるかどうか。
６．「人柄」はどういう人か。
仲間（あるいは部下）として一緒に働きたいと思えるか、は大切です。
優秀で頭がいくら良さそうでも、何を考えているか本音が見えなかったり
「暗くて冷たそう」と感じたらほぼ不合格になります。

上記の１から４までは面接の評価シートに記入欄が通常はあります。
５と６は面接官の主観が大きく影響しますが、実は合否の判断では占める部分が
大きいです。

相談者さんのように、面接は完璧な受け答えを面接官が望んでいると誤解をされて
いる方が多いと思います。
知りたいのは「どういう考えで、どういう行動をとる人か、何が得意（不得意）で、
何がしたい人か、どんな人柄（キャラ）か。」
「公務員に相応しい考えや、倫理観を持てるか」です。

だから、話し方が緊張のせいで多少しどろもどろになっても、質問にすべて答え
られなくても、「採用したい」と思われる人はいるわけです。

なお、もうひとつお伝えしたいのは、
受験者がいくら完璧な受け答えだと自負していても、面接官からすると
地雷を踏んでいる場合も多く、回答内容が素晴らしくても、本当の事を自分の言葉で
語っていないと感じた場合は、「信頼」を得られないです。

完璧な受け答えは時に、演技っぽく感じられたり、間髪入れない答え方も質問を
良く考えて答えていないように見える事があります。
本音が見えない、素顔が垣間見られない、という判断になり、信頼されない場合
があります。

以上が実際に公務員の面接官の経験および長年の採用責任者としての回答になります。
ご参考にしてください。