擁壁の完了検査がなされていない土地

擁壁は高さ２ｍ以下ならば、申請は不要です。
横浜市では、擁壁の高さ５ｍ以下を原則としています。
設計・施工・監理の面で堅実に行われると見ています。
当方は、本件の高さ４ｍの擁壁は、かなり大規模な工事とみてます。
その擁壁を築造するに当たり、設計者・管理者・施工者・販売会社が役場への手続きを無視して完了検査を受けない事に、怒りを感じます。

高さ４ｍ擁壁の申請書類には、宅地造成関連と擁壁構造関連とが有ります。
擁壁の完了検査に関しては、後者の擁壁構造関連の書類が必要です。
検査には、中間検査、完了検査（以上は役場）、さらに築造する者は工事に関する報告書（工事記録写真添付）を作成し提出します。
書類が完備した後に「検査済証」が交付されます。
宅地の使用は、此の「検査済証」がなければ、使用できません。

宅地使用は、役場との話し合いで、［後出し書類］の審査でＯＫになる可能性が有ります。
［後出し書類］で擁壁構造の図面と計算書が存在しているとして、工事記録写真が有れば、
話は前進します。
問題は、図面と計算書はあるが、工事記録写真が無い場合です。
現存の擁壁の形状及び配筋状況を確認するには、調査会社に依頼して報告書を作成し提出
してもらう事です。

壁体の調査は良いのですが、底版の調査には、敷地の一部で高さ４ｍ、平面４ｍ角の掘削
が必要になります。 費用の面でも大きいウエィトを占めます。
調査費用を販売会社が全額負担するのであれば、ＯＫです。

以上です。 ２０１４．８．９ 中舎重之