対象:住宅設計・構造
お忙しいなか恐縮ですが、ご教示いただきたく筆を取りました。
(1)
2階建ての医院の建築を考えており、総建坪60~70、2階部分はスタッフルームと1K程度の簡単な居住スペースなので、ほぼ平屋で少し2階部分が乗る、という構造です。耐震性、耐火性、耐用性、設計の自由度などを考慮すると、コストを度外視するものとすると2×4、軽量鉄骨、重量鉄骨、RC、いずれが相応しいでしょうか?
・老人ホームに隣接しており、火事の可能性を考慮すると2×4は難しい
・軽量鉄骨は鉄骨に貼るパネル構造物がハウスメーカーにより様々な種類があるようですが、耐震性・耐用性などを担保できるのか不安がある。また、目地の部分の摩耗・ひび割れなどから維持費がかさむ可能性などがないかも心配です。
以上のようなことをふまえると、素人判断では重量鉄骨かRCで行こうかな、とも考えだしていますが、いくつか相談したハウスメーカーは、いずれのメーカーも自社が得意とする工法を勧めてきて、他の工法を攻撃するので話をいくら聞いても混迷が深まるばかりです。
(2)いずれのハウスメーカーも、軽量鉄骨と重量鉄骨を比較した場合、重量鉄骨の方が1割ほどコストが高くなると言っていますが、知り合いの工務店の方に言わせると、基礎が変わらない場合、コストは変わらないはず、とのことでした。軽量鉄骨と重量鉄骨では、実際のところコストは変わるのでしょうか?
以上、ご専門の先生方の意見をうかがえれば幸いと存じます。
bonnou108さん ( 神奈川県 / 男性 / 46歳 )
回答:4件
医院建築
アネシスプランニングの寺岡と申します。宜しくお願いします。
さて、ご質問の件ですが、順を追ってお伝えしたいと思います。
まず、建築の工法について。
設計の自由度からすれば重量鉄骨やRCにはなるかと思われますが、2階の面積が少ないとなれば他の工法でも対応は可能でしょう。
ただ、このあたりは診療科目により大部屋を必要とする場合もありますので、何とも言えません。
また、HMに関しては、ご指摘のように各会社の利点ばかりの話が多く、まずは契約ありきになりがちです。
医院の場合には、建築費用以外に必要な設備コストや開業までのスケジュールなど、開業までの重要なポイントをどれだけ理解しているか疑問ですね。
次に、重鉄と軽鉄のコストですが、使用する外壁材や地耐力などにもよりますが、通常であればコストは異なります。
全く同じとは言えないかと思います。
医院の建築には何度もかかわってきていますが、借入先の問題や日程、患者数の想定など、多岐に渡る内容を建築業者や設計者はどれだけ理解しているによって、その良し悪しを決めるべきでしょう。
尚、個別のご相談や詳しい説明をご希望でしたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
宜しくお願い致します。
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以上、ご参考になれば幸いです。
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評価・お礼
bonnou108さん
2013/05/15 15:38ご教示いただいたとおり、ハウスメーカーの担当者により、医療業界への精通の度合いがかなり違う印象を受けましたので、充分考慮して選定したいと思います。ご丁寧にありがとうございました。
寺岡 孝
2013/05/16 00:28この度は回答に評価をいただき、まことにありがとうございます。
医院の建築にはその診療科目により特性がありますし、建築物の理想を貫き初期投資を大きくしてしまうと、それに対する開業後の負担が多くなり場合によっては厳しい局面となります。
また、設備機材のコストがかかる歯科などは、建築費とは別に設備費をリースにするかなど、その予算配分も重要です。
さらに、開業後数ヶ月間は保険診療の収入がありませんので、その間の運転資金をどう確保するかも検討しておく必要があります。
最近では、製薬のプロパーさんがこうした医療開業を手伝う分野もありますが、あくまでも医院もビジネスであることは忘れてはなりません。
こうした点を加味して、建築コストと設備・運転資金の配分を考慮して開業されることをお勧めいたします。
医院開業にはベストなサポーターを見つけることが成功への近道かと思います。
以上、取り急ぎ回答の評価の御礼まで。
アネシスプランニング(株)
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回答専門家
- 寺岡 孝
- (東京都 / お金と住まいの専門家)
- アネシスプランニング株式会社 代表取締役
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医院建築に関して
横浜駅近くで開業してる設計事務所です。
医院としてオススメできるのは、この中ではRCか重量鉄骨です。
RCは地震や火事、振動・音にも強く、重量の大きな設備機器を後から設置する場合にも対応が簡単です。設計の自由度も高いので、デザインに拘りたい場合にも対応可能です。
重量鉄骨も音と振動以外は同じような利点があります。また、開口部を大きく取りたいという場合や1階をすべて駐車場にしたい(ピロティにしたい)という場合には最適です。※RCでも可能です。
2✕4と軽量鉄骨造は、大雑把に言うと構造的にはほとんど同じです。壁パネルを組み立てて構造体にする工法で、パネルの芯を木で作るか薄い鉄の折板で作るかの違いです。
商業建築として考える場合の自由度はそれほど高くないと思います。
長期の構造体の寿命と内装の変更のしやすさ、商業建築としての機能とデザインを考えると、1番RC、2番重量鉄骨、その他はコストを大きく落としたい場合、といった順番で検討されるのが良いかと思います。
もう少し細かい解説等がご希望できたらご遠慮なくご質問ください。
<あーす・わーくす http://office-ew.com>
回答専門家
- 小松原 敬
- (神奈川県 / 建築家)
- 一級建築士事務所 オフィス・アースワークス 代表
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青沼 理
建築家
-
コスト度外視ならRC造がオススメです。
2階建てだと
揺れもあまり気にならないでしょうし
建物重量も軽く
柱も小さくできるので
スペース的メリットがある
重量鉄骨造も検討余地ありです。
間取りなど
詳細に全体的に判断してみないと
重量鉄骨とRCと
結論は難しいと思います。
少数派ですが
PCなんて選択肢もありますよ。
じっくりご検討下さい。
評価・お礼
bonnou108さん
2013/05/15 15:36ご丁寧にありがとうございます。重量鉄骨とRCで、詳細な間取りを決定したうえで検討してみます。
青沼 理
2013/05/15 16:00bonnou108様
評価ありがとうございました。
またご不明なことがございましたら
お気軽にご質問ください。
島崎 義治
建築家
-
これからの医療に対し施設がどのように応えられるか、が重要です
地域の特性にもよりますが、2×4、軽量鉄骨、重量鉄骨、RCでも、耐震性、耐火性、耐用性は大きな違いはないように思います。
ただ、これからの医療がどうあるべきか、それに対し施設がどのように応えるか、を十分に考える必要があると思います。
仮に、明るさや快適さのためのボリュームを持ち、開放的な空間を目指すならば2×4は制約が多く可能性は少ないと思います。
また、軽量鉄骨の場合も補強が必要になると思いますし、将来の可変性を考慮した医療施設などを考慮すると対応は難しいと思われます。可能性がないわけではありませんが、、、。重量鉄骨やRCとなるように思います。もちろん、軽量鉄骨の方が安いですが、小さな住宅ではなく、専門性も持った公共的建築をつくるわけですので、金額だけで比較することは難しいように思います。
むしろ、木造の集成材などによる建築は可能性があると思います。木のやさしさや快適性は医療施設としての適性を持っているのではないでしょうか。大きなボリュームや開放性を確保することも可能です。耐火建築物にはなりませんが準耐火建築物(延焼から建物を守ることができます。)にすることは可能です。
木造も含めて、重量鉄骨造かRC造か、どれが適切かは、どのようなコンセプトで計画を進めていくかによって決定する必要があります。
どの製品や工法がいいというようなありきたりの営業では創造的ではありません。
まずはどのような医院にしたいか、どのような医療を行うのか、それに対してどのように施設が応えるのか、地域でのありかたはどうするのか、など根本的な考え方を議論する過程で工法や素材はおのずと決まっていくものです。
外壁のパネルは十分に検討する必要があります。外観を決める重要な要素であり、ハウスメーカーの言いなりの決められた変化のないもの、既製品や工業製品のようなものでは医療施設としてのイメージや信頼性も損なうことになりかねません。
地域の医療施設として重要な意味や役割を持っていると思います。医師としてのプロフェッション/職能意識に十分に応えるだけの建築であるべきですし、設計者にも施工者にもプロフェッションが要求されると思います。
安易に妥協されないことを期待いたします。ご参考になれば幸いです。
島崎義治/島崎義治建築設計事務所
2012グッドデザイン賞を受賞しました
http://architect-studio.com
評価・お礼
bonnou108さん
2013/05/15 15:41ご指摘のとおり、自分自身でどういった診療内容を追及するのか、さらに具体的に考えをまとめると、医院の構造・外観については自ずとイメージが湧いてくると思いました。ご丁寧なアドバイス、ありがとうございました。
(現在のポイント:-pt)
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