対象:経営コンサルティング
入社5年目の会社員です。素朴な質問ですが、プロの方に質問にお答えいただきたく投稿しました。
私が勤めている会社では、一昨年中期事業計画を策定し、その目標に向けて短期目標を設定、各部署まで目標を落とし込んでいました。出版関係の事業なのですが、出版不況のあおりを受けて、その中期事業計画の目標設定が変更となりました。そのこと自体に不満は無いのですが、計画の変更をするのは当たり前なのでしょうか?
景気の変動はゆったりしているようで、凄く早く進行するものだと思っています。上層部の見通しが甘いとは言いませんが、計画変更に対して違和感を覚えています。疑問にお答えいただければ嬉しいです。よろしくお願いいたします。
※この質問は、ユーザーの方から事前にいただいたものを、プロファイル運営事務局が編集して掲載しています。
専門家プロファイルさん
回答:1件
谷口 與市巳
経営コンサルタント
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実現できる経営戦略策定・見直しは全社共有目標の原点
こんにちは
京都ビスキャスオフィス 谷口と申します。
結論から申し上げて、長期計画は定期的に見直しする事が重要です。
あくまでも見直しですから、一変する様な計画に変貌するようなことは問題で、
計画時点の検討不十分と判断されても仕方がないところです。
中期計画とは、戦略です。
少なくとも年に一度は、マクロ情報と短期計画の達成状況を基本に見直しを行います。
短期計画とは、戦術です。
計画は、ミクロ情報と毎月の進捗確認・成果確認で、微修正しながら進めるのが一般的です。
短期計画の数値目標の変更は中期計画に影響する重大な計画変更に値します。
長期計画の見直しは、目標数値を上下する場合や、目標時期を前後させたりします。
場合によっては、複数ある具体策の一つを削除する場合や追加など、
比較的大きな中期計画の変更も余儀なくされる事もあります。
また、短期計画を追加して、中期計画を変更しない方法も有ります。
この様な行為は「経営の見直し」と呼ばれ、ISO9000でも定義されており
経営者に要求される重要な行為です。投資家を欺く行為に発展しかねません。
基本的には、現実に即していない中期計画は見直すべきです。
「所詮達成できない計画」となってしまっては、目標意識が退化します。
形骸化は企業の最大の脅威かもしれません。
但し、見直しを余儀なくされた背景をしっかり総括し、次に活かす事が重要です。
・市場の状況が一変した(新しいビジネススタイルが提案された等)
・短期計画の多くが未達成となりそうな状況
・短期計画を積み上げても中期計画数値には届かない
・元々短期計画案件が不足し中期計画に届かなかった
等有りますが、景気の回復や市場の拡大などの、根拠のない計画は多いものです。
中期計画や短期計画を立てる手法としては、「SWOT分析」と言う様な手法が提唱されていますから、参考にされると良いでしょう。
「中期計画達成」と言う宣言に酔いしれたい想いは、経営者だけでなく全従業員の統一した思いのはずですからね。
(現在のポイント:-pt)
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