対象:エクステリア・外構
外溝リフォームについて心配な事があり相談させて頂きます。
ゆるやかな雛壇の住宅地で、南側に隣接する家とは2メートルを超えるコンクリートの擁壁の上に、家が建てられております。もともと擁壁の上には2段のコンクリートブロック塀(以下CB塀)とその上に高さ50センチ程度のフェンスが建てられていました。
この度、南側の既存CB塀の上にCB4段を積み足し、その上に高さ100センチの目隠しアルミフェンスが建てるリフォームを予定しています。が、素人が建築基準法を調べても、安全なCB塀の積み足しの方法や、そもそも積み足して良いものかどうかが解りません。
専門家の皆様方のご意見を是非とも伺いたく存じますので、何卒よろしくお願いいたします。
Longsurfさん ( 兵庫県 / 男性 / 33歳 )
回答:1件
島崎 義治
建築家
3
判断が難しいですね。でも、危険だと思います。
実施する前に相談をいただいてよかったと思います。
最初の2段のブロックはアルミフェンスの支柱を埋め込むための基礎として設置されたもので、擁壁として設置されたものではないように想像します。しかも、とても基礎とは言えないものですが、、、。
ただ、耐久性が残っているのであれば、積み足してもよいのだと思いますが、既存の2段を含めて安全が確保されていなければならないと思います。
建築基準法では、
高さ1.2m以下の場合は、控え壁を4mごとに設けた上で、厚さ12cmのブロックで、無筋の仕様でよい、
高さ2.2m以下の場合は、控え壁を3.4mごとに設けた上で厚さ15cmのブロックで、縦横に9mm以上の鉄筋を配した仕様となっています。
ただ、
1)この上部にアルミのフェンスが設置される。
2)高さを算定する基準は地上に見えている基礎を含めたものであり、しかも、低い方の地盤の位置から測定する。(場合によっては2mの擁壁の下から測定するという判断もありうる。)
3)地震によって倒壊した場合、隣家に多大な損害を与える。(無筋の擁壁が地震によって倒壊している例は頻繁に目にすることです。)
といった点から、現実的には厚さ15cmのブロックを使い、縦横に鉄筋で補強した仕様の擁壁とした方がいいのではないかと思います。その場合には2mの擁壁が基礎となりますから、鉄筋をこの擁壁の中に埋め込み、緊結する必要があるので施工も大変かと思います。(大変ですが必要です。)また、この場合は2.2mを超えることになりますから、構造設計が必要になるということにもなりかねません。
場合によっては擁壁の内側に新たにRCの基礎を設けた方が安価かもしれません。
仕様によって、コストにも大きく影響しますので判断が難しいですが、慎重を期された方がいいように感じます。自治体に相談されることも一つの方法かもしれません。
ご参考になりましたでしょうか。また、ご遠慮なく相談してください。
島崎義治/島崎義治建築設計事務所
2012グッドデザイン賞を受賞しました
http://architect-studio.com
評価・お礼
Longsurfさん
2013/03/14 14:50島崎様
早速の丁寧なご回答有難うございます。
補強コンクリートブロック造りになりますので、高さ120センチ以下の場合は控壁や基礎の項目は規定が適応されず、鉄筋の規定は適応されるのでは無いのでしょうか。鉄筋は入れると伺っています。
何れにせよ、安全性についてもう少し相談した方が良いということですね。
本当に有難うごじました。
島崎 義治
2013/03/14 17:06評価、ならびにコメントありがとうございます。
補強コンクリートブロック造ということで少し安心しました。
ただ、
配筋は基礎と緊結する必要があります。一般には基礎の配筋と緊結し、基礎から立ち上げますが、今回のような既存の擁壁を基礎とする場合は部分的にコア抜きをし、アンカーを打ったりする必要があるため、難しい施工になると考えました。
新たに基礎を施工すれば問題はなくなりますが、擁壁の内側に設置することになり、庭が少し狭くなります。しかし、この方法を取らざるを得ないのではないかと感じます。
また、一般には基礎が少し立ち上がった上にブロックを設置しますので目地の中に雨水などが入る危険性は少ないですが、擁壁の上に直接ブロックを積み上げてゆくと、最下部の目地から雨水が侵入しやすくなり、鉄筋の腐食など老朽化の原因となる可能性も高くなってきます。
隣家の頭上2mのところにブロック塀を設置されるということで、倒壊には十分ご注意ください。
こちらこそ、丁寧にご返事いただきありがとうございました。
(現在のポイント:-pt)
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