対象:住宅設計・構造
間口10.7mで、奥行き35m、113坪の細長い土地です。近隣商業の用途地域、市街化区域です。建ぺい率80%、容積率300%です。
北側が1mぐらいの歩道と6m道路です。裏の南側は、200坪以上はあるような空地で駐車場です。下水道引き込みなしです。
西側は、境界ぎりぎりまで2階建の建物があります。窓はありません。東側も境界ぎりぎりまで店舗使用の平屋建物がたっています。出入りは北側からしかできません。
ここに自宅が建てられるならば土地を購入しようかと思っています。住宅地域ではないですから、閑静な雰囲気はみじんもありません。
夫婦二人だけなので、部屋数はいらず、リビング、キッチン、寝室、クローゼットなどの必要な生活空間が広々とした家を考えています。庭もどうでもよく、家の中が快適であればよいのです(本来広ければ、マンションでもよいぐらいなのです。)
。ただ車が2台おけて、北側からの出入りが安全にできるような駐車スペースを必要としています。
敷地ぎりぎりに建てることは可能ですか。その場合の建築工法は何がよいですか。
設計者と建築会社をそれぞれ別に頼む方がよいのでしょうか。それとも既存ハウス会社の注文住宅がよいのでしょうか。はたまた無理に間口の狭い土地でなく、土地自体を探した方がよいでしょうか。専門的知識がないので、判断できない状況に陥っています。
よろしくお願いします。
まるさんゆうわさん ( 鳥取県 / 女性 / 61歳 )
回答:5件
充分な土地だと判断します。
まるさんゆうわさん、こんにちわ。
広島の中村勝己建築設計事務所の中村です。
まずはじめに購入ご検討の土地ですが、ご希望の部屋数と居住者では、間口は充分あると考えます。敷地の特性として北側接道ですから、北側に充分な駐車場を設けて、居住部分を東西方向間口いっぱいに計画して南側に庭をとる、バリアフリーを考慮した平屋建が一般的な計画になると思います。
工法は、どれでも大丈夫です。間口を一番広くとるならRC造(コンクリート造)となります。
とはいえ、建てる場合に考慮する点がいくつかあります。
東西方向隣地建物(古ければ建替えあり)からの視線やプライバシーの確保、南側は大きな建物が建つ可能性もありますから、近隣の変化を予想して将来的に採光や通風やプライバシーが確保されるように全体計画をたてることが重要です。
また敷地ぎりぎりに建てることは可能ですが、設備や建設用足場のスペースが必要で、メンテナンスも考慮します。
あまり手をかけない程度で、閑静な雰囲気や住むのに必要な静けさを、中庭や半外部空間(サンルームなど)の緩衝空間を居住空間にプラスすることで、思いもかけない快適さや
楽しさを造ることが出来ます。
感覚的な話になりますが、土地を選ぶ時、「ここに住みたい!」と感じることが何より大切だと思っています。
悩むとき、また候補が他にある時は、プロに見てもらうのが早いでしょう。
当事務所も最近は、希望のものが建つのかも含め、購入前に相談されることが本当に多くなってきておりますので、相談は決して特別なことではないです。
またコストパフォーマンスの点で、設計から工事の品質・コスト監理、工事業者の選定まで厳正に行う建築家が一番ですと申し上げたいのが本音ですが、どこに依頼されても、出来るだけ要望を伝えたら、プロですからずっと先を見越したおもしろい案を提示してくると思います。その分理解し納得するまで時間が少しかかることもありますが、ご自分でも生活しているところをシミュレートし、出来れば時間をかけ、納得のいく案を選んでいただきたいと思います。
是非、家づくりを楽しんでくださいね。
質問等ありましたらお気軽にお問い合わせください。
家を建てる前に
http://www.nakakatu.com/hajimeni.html
回答専門家
- 中村勝己
- (広島県 / 建築家)
- 中村勝己建築設計事務所
目指すは大らかでゆったりと過ごせる気持ちのいい空間の家
昼夜問わず演奏可能な本格的音楽スタジオを持つ家。街の中でも風や光、豊かな自然を感じる家。あなたや家族の思いを受け止め、工夫とアイデアで予想以上の空間を実現、思いや夢をカタチにします。五感で感じるお気に入りの場所を一緒につくりましょう。
志田 茂
建築家
1
中庭のある静寂な平屋
志田茂建築設計事務所 志田です。
その土地で、だいたい建ペイ率一杯で考えると、約9.5mx30m 285m2(86坪)の平屋が建てられます。ご夫婦お二人という事であれば、十分な大きさではないかと思います。
広さというのは、ひとそれぞれの感覚ですので、まるさんゆうわさんにとって、それが広いのかまたは狭いのかはわかりません。私としては、十分に広い、という感覚です。庭にご興味がないとの事ですが、周囲を閉ざし、中庭を作り、『そこだけの世界』を楽しむ家が作れるように思います。中庭と言っても、いわゆる庭園のようなものではなく、幾本かの樹木を植えるだけでもいいと思います。外部の喧騒との緩衝となり、光と静寂を楽しむ庭です。間口も 9.5m という事は、約10間(けん) です。
そのような家を作る場合、設計者に依頼し、十分に納得いくものを作る事をお勧めします。
**
どこを棲家とするかは、人生観にもつながります。都市の中で、その賑わいと利便性を楽しむという事も、素敵な事だと思います。
評価・お礼
まるさんゆうわさん
2013/02/03 10:25早速回答いただきありがとうございます。
中庭という発想がなかったので、夢が出てきました。当該土地の購入に傾き始めました。
ありがとうございました。
志田 茂
2013/02/04 09:53>夢が出てきました
そう思っていただけてうれしいです!面積には余裕のある土地ですから、いろいろな発想ができると思います。規格を当てはめるような家ではなく、夢を膨らませ、家ができてからさらにいろいろな夢が広がるような家を作る事が可能だと思います。
街中という事で、中庭のある家をご提案させていただきました。中庭を作る事で面積以上の広がりと豊な気持ちになると思います。
どうぞ 「夢」と「希望」をもって、素敵な住まいを作ってくださいね。
なにかご相談あれば、いつでもご連絡ください!
島崎 義治
建築家
5
想像力がかきたてられます!
還暦を迎えられ、次の新たな暦へと歩を進まれる時にとても素晴らしいお考えを持たれたのではないかと感じました。
また、専門的な視点から考えますと、
今後はコンパクトシティという、さまざまな生活施設や機能を集中させた商業地のようなまちの中心に集まって生活を行うという政策が鳥取でも予想されます。そういうなかで、にぎやかな商業地の中で自らの生活基盤をつくられるのも次代を見据えたいい判断かなと思います。
敷地も大きく、ゆったりとしたスタイルで住まいを作り上げることができると思います。鳥取は寒冷地でしょうから、大きな半戸外的な空間(例えばグリーンハウスのような)のなかに内部空間を組み込んだり、2重構造のような快適な空間を作り上げることもできるでしょう。京都の町家みたいな土間と庭が融合したような空間もいいでしょう。少し寒いかもしれませんが、、、。また、自給自足の畑を住まいと組み合わせることも考えられます。
他のどなたもこんな素敵な発想はなさらないように思います。「まるさんゆうわ」さんのご家族の特別の住まいを、すなわち独自の「物語」を作り上げたらいいと思います。とてもいいことです。
そのためには、まず、想像力ある建築家とともに設計を十分行い、設計図としてまとめ、それらの図面をもとに建築会社に施工を依頼することがいいと思います。
隣家とのすき間は技術的にいかようにでもなります。少し空気層をとった方が断熱的にも遮音的にもいいように思います。また、工法は地域の建築法規を調べないとはっきりは申し上げられませんが、木造でも鉄骨造でも可能です。防火性能が必要な場合には鉄骨造で外郭をつくり、内部は柔らかで温かみのある木造とすることも可能です。
いい住まいになりそうです。創造意欲がかきたてられます。
今すぐにでも東京から飛んでゆきたいくらいです。(私は愛知で大学に勤務していますから愛知から飛んでゆきたいくらいです。と申し上げるべきですが。)
物語をつくってゆきましょう。
島崎義治/島崎義治建築設計事務所/人間環境大学教授
2012グッドデザイン賞を受賞しました
http://architect-studio.com
評価・お礼
まるさんゆうわさん
2013/02/03 10:38ご回答をありがとうございました。ホームページも拝見しました
回答を読んで、さきほど近隣の建物を見て回りました。準商業地域の中で、隣同士がくっつきあうようにして建物が建っていることに気が付きました。みな間口が11mかその半分というような建物が多いことにも気が付きました。まだまだ具体的にどのような建物にしたいのか、またなるのかイメージがわかないのですが、当該土地を買っても大丈夫とわかりましたので、まずは土地の購入に向けて交渉に入ることにします。
島崎 義治
2013/02/03 11:24評価ありがとうございます。早速、地域を見て回られたとのこと、頼もしく感じられます。
また、ホームページを拝見いただきありがとうございます。愛知と東京を往復しながら設計活動や教育、研究に携わっております。
私たちも一つの建物を設計する時にはまち全体を知ろうとします。敷地の回り、町並み、気候、風土、歴史、文化、、人の流れ、空気の流れ、そしてそこに住まわれる家族の姿。
何故、「創造意欲がかきたてられた」のか、、、、
それはこの敷地や周囲の環境、そしてお住まいになる方たちの意欲、、、そうした状況(私たちにとっては設計条件となるものですが)から大きな可能性を感じたからではないでしょうか。
さまざまな可能性がある住まいだと思います。その可能性を最大限発掘、発見してゆくのが建築家の能力であり、役割です。どのような建物にしたいのか、それを導くストーリーを形づくり、サポートしてゆくのも建築家の役割です。
また、ご質問、ご相談などありましたら、ご遠慮なくどうぞ。
菊池 克弘
建築家
-
利便性の良い都会的な生活が可能となります
初めまして。
ご質問に対し、以下のように回答いたします。
ここに自宅が建てられるならば
最終的には役所にて確認しなくてはなりませんが、建築可能です。
住宅地域ではないですから、閑静な雰囲気はみじんもありません
東京では、近隣商業地域や準工業地域の土地は住宅用地として人気があります(利便性の良い場所において、少ない敷地面積において住宅を建築できるため)。
夫婦二人だけなので、部屋数はいらず、リビング、キッチン、寝室、クローゼットなどの必要な生活空間が広々とした家を考えています。庭もどうでもよく、家の中が快適であればよいのです(本来広ければ、マンションでもよいぐらいなのです。)。ただ車が2台おけて、北側からの出入りが安全にできるような駐車スペースを必要としています。
これらは問題ありません。
敷地ぎりぎりに建てることは可能ですか
東側、西側がぎりぎりまで、ということから、可能であると推測されます。
尚、このご質問の趣旨は、平屋を想定してのご質問でしょうか? 老後のことを考え平屋を検討されているようでしたら、現在はホームエレベーターの設置により、それらの問題はクリアできます。むしろ、境界からは少し離し、2階3階を計画したほうが、住環境としてはよろしいかと思います。
その場合の建築工法は何がよいですか
木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造のどれでも可能です。現在は、木造でも耐火建築物とできるため、お好きな工法で建築が可能です。有機系で木の柔らかさ・香りがお好みであれば木造を、無機系で重量感のある建物がお好みであれば、鉄骨造、鉄筋コンクリート造にされればよろしいかと思われます。
設計者と建築会社をそれぞれ別に頼む方がよいのでしょうか。それとも既存ハウス会社の注文住宅がよいのでしょうか
このような特殊な条件の建築計画は建築家に依頼し、工事は施工を専門としている建築会社に依頼するのが一般的です。
はたまた無理に間口の狭い土地でなく、土地自体を探した方がよいでしょうか
この敷地が今後の生活(買い物・病院等)に利便性が良いと判断されるなら、この敷地がよろしいかと思います。
都市環境建設株式会社 菊池克弘
2012年5月24日、東京スカイツリー開業日におけるエレベーター停止につき、テレビ朝日「やじうまテレビ」にて解説を行いました。
補足
ご質問・お問い合せはお気軽にどうぞ
■都市環境建設株式会社
TEL:03(3803)1420
E-mail:info@bestsolution.jp
田口 継道
建築家
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細長い土地
住宅を建てるのであれば間口は広い方がベターとは思いますが、間口10m有れば、設計によりますが大丈夫とおもいます。外壁の工事上の仕上げ作業等考えますと少なくとも有効で50cmは離した方がよいです。工法は木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造有りますが、建設費、機能、生活の仕方、形体イメージ等により決められますので今の段階では、何ともアドバイスしかねます。住まいの場所は色々な条件で(値段、交通の便、買い物、友人、近所の付き合い等)決められるでしょうが、何かの要件で検討しようと考えたのでしょうから、希望のプランが可能かどうか先に検討してみては如何でしょうか。その場合やはり、今後のこと、費用等の事もあるでしょうから、信頼のおける設計者に相談するのが良いとおもいます。(私どもでも簡単な購入のためのプラン等は案が気に入ってもらった場合実務に繋がるようであればサービスで提案等しておりますが)建設会社、ハウス会社と違って色々な角度からからの提案を受けれるとおもいます。参考に成れればさいわいです。田口継道
http://taaa.co.jp
(現在のポイント:1pt)
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