対象:会計・経理
回答:1件
林 高宏
税理士
2
元入金になります
再び、税理士の林です。
下記の表をご覧になりながら説明をお聞きください。
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki01/shinkokusho/02.htmの所得税青色申告決算書(一般用)をクリックしてください。
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki01/shinkokusho/13.pdf
という表が出てきます。この4ページ目が貸借対照表です。
初年度、1)貯金100万円を元手に事業を始めた。2)1年間で利益が300万円でた。3)生活費のため300万円は引き出して使った。
この場合、年末には手元に100万円の現金が残っていますね。
これを貸借対照表では次のように表現します。
1/1 12/31 1/1 12/31
現金 1.000.000 元入金 1.000.000
事業主貸 3.000.000 所得金額 3.000.000
翌年もまったく同じ状態だったとします。(利益300万円)
1/1 12/31 1/1 12/31
現金 1.000.000 1.000.000 元入金 1.000.000 1.000.000
事業主貸 3.000.000 所得金額 3.000.000
事業主貸・事業主借・所得金額の期末の数字を翌期首に繰り越さないのです。
従って2年目の期首は現金の1.000.000だけが計上され、左と右を一致させるため
元入金に1.000.000が記入され、期末も同じ数字となります。
もし生活費に300万円ではなく400万円使った場合、期首の現金は0になり、
同時に元入金も0になります。
本来、元入金とは法人の資本金に対し、個人が事業を開始するに当たり、
持っている事業用資金のことを意味します。
しかし、法人と違い、利益処分の概念がないため、繰越利益と言うものが生じません。
ですから、初年度以外、元入金の数字が何を意味するかというと何も意味していない
と考えるのがいいと思います。
補足
通常、事業主がポケットマネーで消耗品を買った場合、
(消耗品費)×××(事業主借)×××と仕訳し、
事業用のお金から、毎月給料のように生活費を引き出した場合、
(事業主貸)×××(現金預金)×××と反対仕訳を切ります。
ここで、「事業主借」と「事業主貸」を混同しそうだったら、
2つ合わせて「代表者勘定」としていただいても結構です。
この仕訳は頻繁に出てきますが、「元入金」が仕訳に登場するのは1度だけ。
開業時に(現金)×××(元入金)×××と仕訳を切るだけです。
但し、その後も貸借対照表の左右の金額を合わせる調整役として、
毎期末に登場します。
個人事業主の元入金は、このように「事業主貸」「事業主借」「所得金額」を
期末から翌期首に引き継がないため、そのしわ寄せを一手に引き受けているだけで、
それの持つ数字自体には、さほど意味を持たないものとお考えください。
ある日、元入金がマイナスになっているお医者さんがいて、それを目にした
銀行員が生活費の使いすぎを指摘したことがあります。
そうではないんです。個人の元入金はそれ自体何も意味を持たないのです。
例えば、事業用の口座から、個人用の定期預金に移したって元入金は減るのです。
(現金預金が減るわけですから、左右一致させるため自動的に元入金は減ります)
この点に関しては、深入りすればするほど頭が痛くなるだけですので、
ほどほどの理解に留めておくことをお薦めします。
評価・お礼
oonaoさん
2012/10/16 00:19何度も繰り返し読みました。お礼が遅くなりすみません。
なんとなく理解できたような気がします。が、納得いくまで自分が理解できないと前に進めない性分なのでもう少し調べてみようと思います。
ありがとうございました。
(現在のポイント:-pt)
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