対象:ペットの医療・健康
お世話になります。
柴犬、雄 今年9歳になります。
今日病院の健康診断で、肛門から指いれての触診があったのですが、
それによると、前立腺肥大が始まってきているといわれました。
便がなかなか出ないとか、出にくそうにすることはないかって
聞かれ、思い当たることが最近あります。
今年9歳ですが、去勢手術を勧められました。
9歳というシニアでするのですかと聞いたら、何歳になってもできます。
やらないよりやったほうがいい、と言われました。
獣医さんによっては、「胃がんになるかもしれないからと
前もって胃を摘出する人がいますか?」とおっしゃるし、
それも最もだと思うし。でも前立腺が肥大傾向になる、って
言われたら、大事に至らないうちに去勢したほうがいいのかなとも
思ったりしています。
間隔はありますが、てんかん発作(だと思われる)症状もあるから、麻酔とか
健康なわんちゃんより負担がやリスクはどうなんでしょうか。
去勢手術を進める獣医さんは、大したことはないとおっしゃるですが、
術後失敗したと思われるような怖い話もちまたでよく聞きますし、
病気になる確立は未去勢だと高いということや、現に前立腺が
大きくなりはじめているのであれば、今からでも手術を受けるべきかとも
思いますが、まだどうしたらいいのか決めかねています。
また去勢手術だけでなく、一緒に歯石とりもしたら?とも勧められました。
去勢だけでもすごく心配なのに、麻酔ついでにと言われても、
どうしたものかと余計悩んでいます。
この8月で9歳。発作がたまにおきるし、ストレスも受け易く
吐いたりし易いし。でもやっぱり手術を受けるべきかどうか。
アドバイスをいただけたら大変有り難いです。
よろしくお願いします。
gomashibaさん ( 大阪府 / 女性 / 41歳 )
回答:2件
高齢犬の去勢手術に関し
はじめましてアレス動物医療センターの沖田と申します。
さて、実際そちらのワンちゃんを診察したわけではないので、あくまで文面からの想像で書かせていただきます。
獣医師によって、意見も分かれることもあるかもしれませんが、今のシチュエーションでというと、私も手術をお勧めします。
9歳のワンちゃんの手術リスクは1歳未満の若いワンちゃんのリスクよりも確かに高いでしょうし、てんかん発作の経歴を持つワンちゃんの手術リスクもまったく病気を持っていないワンちゃんより少し高いと思います。
ただ、すでに前立腺肥大が起こり始めているワンちゃんを治療せずに放置するリスクのほうがずっと高い、と考えます。
柴犬となるとかなり長寿の子が多いですから、残りたとえば9年生きるとして、年々悪化する前立腺肥大を我慢し、排便のたびに痛みを伴う人生を送るリスク。
さらに悪化し会陰ヘルニアなどの大手術が必要になったときの手術リスク。
結局症状を感化できず、14歳などのさらに高齢で手術をしなければいけないリスク。
これらのリスクと、今のリスクを客観的に比較する必要があるのではないでしょうか。
確かに今手術するリスクも十分考えなければいけないとは思うのですが、そればかりに注視し、手術をしないリスクに眼を背けてはいけないのではと思います。
胃がんのくだりに関しては、本当に獣医さんによりけりの表現だなとは思うのですが、冷静に考えると、ちょっと極論泣きがします。
去勢をしていない男の子で、8歳を過ぎて前立腺肥大になる子は山のようにいます。
しかし、数年に1度しかお目にかからないような、稀な胃がんを例に挙げて、「胃がんになるかもしれないから前もって意を摘出する人がいますか」というのはさすがにちょっと・・・という気がします(たぶんわかりやすく説明するためなのでしょうが)。
生命維持に必要とされる、胃と睾丸の重要度も、それらが高齢になったときに病気になる発生度もぜんぜん違うわけで、それをたとえに持ち出すのはちょっとずるい気がします。
去勢手術をしないという選択肢が必ずしも悪いとはもちろん思いませんが(前立腺肥大にならない可能性ももちろんあるわけですから)、前立腺肥大が始まってしまった以上はやらざるを得ないのではないでしょうか。
胃がんだって、なってしまったら、手術せざるを得ないわけですし。
補足
歯石に関しては、賛否両論あるのではないかと思います。
高齢のワンちゃんをそれぞれの治療目的で、二度麻酔をかけるリスクを考えると、もし麻酔が安定していたら、一緒にやってしまうのが良いという獣医さんもいるかもしれませんし。
歯石除去のように、雑菌が飛び散る手術とメスを入れるような手術を一緒にすべきでないという獣医さんもいるでしょう。
これはさすがに、そのワンちゃんと、その麻酔状況によると思います。
ちなみに私は、あまり歯石除去と他の手術を一緒にすることは好きではありません。
評価・お礼

gomashibaさん
2012/04/12 09:52沖田先生
ご回答いただき大変ありがとうございました。
詳しく教えていただいて、心配性だと自分でもわかっているのですが
丁寧にわかりやすく教えていただき大変有り難くおもっています。
歯石除去のこと、そうですよね。ついでに行うべきことではないと
改めておもいました。本当にありがとうございます。
回答専門家

- 沖田 将人
- (富山県 / 獣医)
- アレス動物医療センター センター長
地域に密着したワンランク上のホームドクターを
アレス(Alles)とはドイツ語で「あらゆること」を意味します。インフォームドコンセントの充実、年中無休、CTスキャナ導入など動物たちの幸せにつながることなら、飼い主様のあらゆる要望にお応えしたい。そんな願いを込めて診療に取り組んでいます。

Re:シニア犬の去勢手術
前立腺が大きくなる病気は、良性の過形成(肥大)の他に、前立腺癌、前立腺炎、前立腺のう胞、前立腺膿瘍などがあります。それぞれの病気によって治療方法は異なりますので、直腸検査で肥大が疑われるならば、血液検査、尿検査、レントゲン検査、超音波検査などできちんと状況を把握される方がいいでしょう。
もし、良性過形成が示唆される場合は、治療法は去勢手術と抗アンドロジェン薬による内科療法があります。去勢手術を行うと、前立腺は数週間で退縮し、再発しません。一方、内科療法は、一時的な改善は見られますが、再発する可能性があり、薬による副作用が認められる場合があります。前立腺がさらに大きくなって、より症状が悪化することを考えると、それはかわいそうなので手術をする方がいいかもしれません。
発作に関しては、原因によって、麻酔のリスクを高める可能性があります。てんかん発作であれば、その頻度と現在の状況が重要で、手術前から抗てんかん薬を服用し、発作を起きにくくしておくことも一つの方法かもしれません。
以上のことが、ある程度明らかになり、現段階で、心臓の機能に問題がなければ手術は問題なく成功すると思います。
ご家族同様の大切な犬の手術を決意することは、大変なことと思います。このような考え方をご参考にしてきただき、ご担当の先生とご相談下さい。
評価・お礼

gomashibaさん
2012/04/15 10:30●●様
詳しくご説明いただきありがとうございます。
前立腺が大きくなってきているといわれましたが、では検査しましょうとは
いわれませんでした。去勢したいとおねがいしたらその前に検査をという
お話なのかもしれませんね。
血液検査はしましたので、その結果をみてもらうことにします。
大変恐縮ですが追記をメールで送らせていただいております。
大変申し訳ありません。ご指導を賜われましたら大変有り難く存じます。
どうぞよろしくお願いします。
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