対象:住宅設計・構造
回答:2件
耐震性能
通常、建築基準法レベルの耐震性能とは関東大震災級の地震を目処に設定されています。
関東大震災級の地震にあったとき、少なくとも倒壊しないというレベルです。
耐震等級で言うと耐震等級1にあたります。
耐震等級は1~3までありますが、これは耐震壁の壁量によって決まります。
耐震等級2は1の1.25倍の壁量があり、耐震等級3は1の1.5倍の壁量になります。
何も言わなければ耐震等級は1で造られていると思います。
壁量は増やせば良いというだけではなく、それによって発生するN値(柱を引抜く力)に
対応する金物、壁のバランス計算、窓の大きさとの兼ね合いなど、様々な設計に関係します。
残念ながら、現在の確認申請の体制では木造2階建ての場合にはこうした構造設計を
チェックしていません。
きちんとした設計ときちんとした工事監理(設計どおりにできているかチェックする事)が
なされているかが重要です。
きちんと出来ていれば、耐震等級1でも多少のダメージを受けることはあれ、大きな被害は
受けないと思います。
大きな地震があった地域でも、比較的新しい家は被害を逃れていることがほとんどです。
擁壁の上の場合、擁壁近くの土は盛土になっています。
写真をみていただければわかりますが、擁壁にはベース部分があってこれを造る為に
擁壁を造るときはその近辺の土をごっそり取ります。
その後に埋め戻しますから、地耐力は当然弱いです。
ですので、擁壁近辺は地盤改良などをしている必要があります。
それをしていないと、不同沈下の原因になったりします。
回答専門家
- 小松原 敬
- (神奈川県 / 建築家)
- 一級建築士事務所 オフィス・アースワークス 代表
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中舎 重之
建築家
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木造住宅の耐震性について
新築の建物が強いと思われているのは、仕口部(柱と梁の部分)や耐力壁の所に金物を使用することが義務付けされているからです。今から19年前の阪神大震災の時に梁が柱から外れて倒壊した事を踏まえて金物の規定が法律で決められました。耐震の基本は柱と柱を繋ぐ耐力壁の配置にあります。耐力壁が建物の外側に多い場合は耐震性能としては低いと思って下さい。耐力壁が家の内側に多いのであれば安心です。次は国が定めている耐震基準の話です。今から91年前の関東大震災の時に東京の本郷台にあった気象台の地震計が200ガルを観測しました。その数字を使って全国一律に規制しました。本郷台は東京でも地盤が良い所で地震の揺れが小さく、火災で10万の人々が亡くなった下町の揺れは400ガルを越えていたと思われます。さて、建築基準法施行令第46条の規定で建てられた木造住宅は、
200x0.7=140ガルの耐力があります。木造住宅2階建てでも、許容応力度計算によって設計した建物は、200ガル(気象庁震度5強)に耐えられます。最近、震度6強までOKの話を聞きますが、それは400ガルまでOKとの事ですので、構造専門の当方としては信じられない話です。ちなみに、阪神大震災で被害が一番大きかった長田区の揺れは、600ガルでした。要するに同じ地震であっても軟弱地盤の上に建つ家は大きく揺れ、固い地盤の上の家であれば揺れが小さいと言う事です。
以上です。 2014.5.3 中舎重之
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