対象:住宅設計・構造
現在新居を設計中で外壁の通気層厚さですが、設計士が言うには、20mm前後の厚みで考えているらしいのですが、私の目指している外壁は〇ーサ〇ーレと同じ仕様で、内壁から石膏ボード(12.5mm)→防湿シート(1.0mm)→発泡ウレタン断熱(80mm)→透湿構造用合板(9.0mm)→透湿防水遮熱シート(1.0mm)→通気層(75mm)窯業系サイディング(14.0mm)→ガルバリウム鋼板(0.4mm)で75mmを伝えたところ、対流が起きるとかで、よい返事をもらえません。
通気層は壁内部の結露を飛ばす為の空気の通り道と認識しているのですが、そこそこの厚みが必要では、ないのでしょうか?
technoさん ( 兵庫県 / 男性 / 43歳 )
回答:2件
躯体内通気と外壁通気
躯体内通気と外壁通気は業界内でも混同されているようです。
まず断熱材が繊維系の場合は結露の危険があります。地域的には寒い地域が危険です。
現場発泡ウレタンの場合は、構造用合板に密着する上透湿性がないので、躯体内結露の
おそれは無いと考えられます。
内壁側の防湿ビニールも基本的にはいりません。
構造用合板を使う場合、合板には透湿性はありません。透湿構造用合板というのは
初めてききましたが、面材の耐力が落ちない程度に穴をあけている合板なのでしょうか?
繊維系の断熱材だとそうした合板は、躯体内の通気に役立つと思います。
逆に、通常の構造用合板を使用する場合は躯体内通気は望めません。
現場発泡ウレタンの場合は、合板に接着してしまうので意味はないように思います。
外壁通気は構造用合板を使用した造りの場合、単純に壁の裏に廻ってしまった雨水を
排出するだけの役割です。構造用合板が濡れてしまった場合の対策にもなりますが。
躯体内通気を期待する場合は構造用合板を使わないか、穴をあけて躯体内と
つないであげる必要があります。
その場合であっても、通気胴縁の厚みは18~25mm程度あれば充分です。
75mmというのは非常に厚いです。
窓の納まりが難しくなるのと窓枠の大きさが大きくなります。
通常日本の家は窓は半外というつけ方をしますが、もしかしたら内付けというつけ方
をしたいのでしょうか。
内付けにすると、窓が外壁より引っ込むRCのような彫りのある外観になります。
そうしたデザインをお望みであれば75mmくらいあってもいいと思います。
その場合はデザイン上の意味でそうするのですが。
躯体内通気は、通気層の厚み以外にも上部をどうやって抜くかが大事です。
そうした納まりの検討が大事です。
ちなみに窯業系サイディングは最近は16mmが多くなっています。
サイディングとガルバリウム鋼板の貼り分けをする場合は段差の処理が難しいですね。
よく建築士と相談してみてください。
回答専門家
- 小松原 敬
- (神奈川県 / 建築家)
- 一級建築士事務所 オフィス・アースワークス 代表
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東島 鋭
建築家
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外壁の通気層は18mmとしています。
通気層を設ける目的は、壁内に進入した湿気の放出と
外壁材の裏側に回った雨水の処理によって、
柱や梁などの構造躯体の耐久性を高めるためです。
通気層の厚みが10mmを超えればその役目を果たすというデータもあるようです。
私の場合、外壁の通気層は18mmとしています。
通気層内の空気の流れは通常下から上へと考えていますが、
実際は、風などの影響を受け空気の動きは変動します。
まずは壁内に湿気を入れないことが肝心ですので、
室内側の防湿シートの施工をきっちり行うことも
併せてご留意ください。
少しでも参考にしていただければ幸いです。
東島 鋭
補足
現場発泡硬質ウレタンについて・・・
現在住宅に使用されている現場発泡硬質ウレタンには主に次の2種類があります。
・A種3 特徴:高発砲倍率、連続気泡
・A種1 特徴:低発砲倍率、独立気泡
A種3を用いる場合、繊維系断熱材と同様に防湿シートは必須です。
メーカー仕様でも指定されていますのできっちり施工してもらってください。
A種1は一般的に防湿シートは不要だと理解されていますが、
内部結露が発生しないとする主な理由は、壁内部の空気層及びウレタン表面の温度が
室温と比較して露点温度ほど低くならないというものです。
ただ、壁内部には断熱できずに熱架橋となる柱などの構造部材がありますし、
暖房により暖められかつ湿気を多く含んだ空気が、暖房されていない部屋の
壁内部に侵入した場合結露の発生が考えられます。
(現在のポイント:-pt)
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