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対象:企業法務

業務委託契約の解除について

法人・ビジネス 企業法務 2010/10/27 15:37

業務委託契約の解除についてご相談です。

弊社から庶務の要員1名が客先常駐で作業をする契約になっています。
契約は2ヶ月先まで、発注書には「下記の通り業務を委託します。」とあります。

ですが本日、即日または2日後で終了して欲しいとの連絡がありました。
業務遂行に問題があったとの連絡はありません。

基本契約書には「甲は乙(弊社)に対する通知により、個別契約の全部または一部を解除または変更できる。」とあります。この場合、契約終了には応じるしかないでしょうか。
また終了した場合、急な終了に対して補償金を請求することは可能でしょうか。

もう1点の問題として、この要員は個人事業主であり、弊社と12末まで契約中です。契約を終了した場合、弊社から補償金を支払う必要がありますでしょうか。またその場合の相場はいくら位でしょうか。なお弊社からこの要員を責める材料は何もありません。

以上、すみませんが、ご回答のほど、よろしくお願い申し上げます。

一般人さん ( 大阪府 / 女性 / 39歳 )

回答:1件

松野 絵里子

松野 絵里子
弁護士

- good

基本契約のリスクを理解しておくべきでしたね

2010/10/28 08:24 詳細リンク
(5.0)

基本契約の内容がかなり貴社に不利なものになっていますね。
ただ、この条項が公序良俗というほどのものではないので、有効だと思います。

そうすると、基本契約に従い個別の業務委託契約はいつでも通知がくれば解除され変更されてしまいます。
それでも将来部分の解除や変更であり、すでに提供した業務への報酬は支払われるわけですので、貴社としてはそのリスクを甘受して基本契約を締結していたということになりますね。

委託契約は委任契約の一種で、信頼関係をベースにするので民法では原則はいつでも解除できるとなっており、報酬も特に決めないと無償が原則です。民法では、当事者の一方にとって不利な時期に委任契約を解除した場合で、かつ、そのことにやむを得ない事情があるわけではない場合には損害賠償義務が生じる(651条2項)とあります。

しかし、貴社の基本契約では契約の変更がそもそも可能となっているので、業務委託期間の変更もいつでもできますので、期間中の報酬をこの条文で相手に請求するのは難しいかと思われます。

さて、本来はその作業要員の方との契約もミラー条項を入れておくことによって、貴社のリスクを減らすべきでした。
ミラー条項というのは、貴社がその方に通知により、いつでも委託契約を解除・変更できるとして、同じような条項を入れて、解除後の報酬は払う義務がないようにしておけばよかったのです。そうすれば貴社のリスクはかなり軽減されていました。

このように企業経営において契約が有するリスクを分析してそれを最も小さくするように努力することは、ちょっとした工夫でできるのですが、日本は契約社会でなかったので、企業のほうでもまだまだそういうことに慣れていないのかもしれませんね。

補足

要員の方にいくら払うかは協議されたほうがよいでしょう。
明らかに期間が書いてあって報酬が書いてあるとすると、やむをえない事情とまではいえないでしょうから、貴社に期間中の報酬支払義務があり、要員は貴社に業務提供する義務があることになりますが、お互いあまりそれはよい解決方法になりませんよね。
長いビジネスの関係ととらえて、誠実に協議されると良いかと思います。
落としどころとしては、一定の解決金(例えば二週間分など)を払うとして、契約期間を変更をしたいと申し出てはいかがでしょうか?そうすれば要員の方も、拘束されるはずだった期間について他の業務も受けられ、かつ解決金ももらえるのでそんなに悪い条件ではないと思います。

契約
報酬
損害賠償

評価・お礼

一般人さん

2010/10/28 11:07

ご回答いただき、大変ありがとうございます。

要員は、仕事を出すか2ヶ月分の金額を出して欲しいと言ってきております。
すぐに代わりの仕事はないのですが、ご回答から、本来は弊社が期間中の全額を支払う義務がある、ということでしょうか。

契約先の企業との件ですが、基本契約書の契約解除の続きで「乙(弊社)が直接損害を被ったときは(中略)協議の上、補償額を定める」とあります。ご回答から法律どおりのように思います。「不利な時期に委任契約を解除した場合」というのは、弊社が要員に契約破棄による損失を支払う場合も含みますでしょうか。

お忙しいところすみませんが、よろしくお願い申し上げます。

松野 絵里子

松野 絵里子

2010/10/28 13:54

協議のうえ補償額を定めるという条項があったのですね。
まさに、今回のような場合に使う条項ですので、協議されるとよいと思います。
ただし、協議の条項ですので補償をいくらするかはこの条項で決まるのではなく、互いに協議の義務があるだけということになります。そういう意味ではよわい条項です。

「乙が被った合理的な範囲の損害については補償する」というような内容に変更できたらしたほうが今後のためですね。

契約全体を拝見できていないので、五月雨でのアドバイスになってしまいましたが、よろしくお願いします。

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