対象:住宅設計・構造
80歳の父と70歳の母が、終の住処となるであろう、一軒家をたてており、現在はあと壁紙と庭を残すところまでとなりました。今日ご相談願いたいのは、一階の父と母の寝室です。たっての願いで、隣同士、別々の部屋にすることにしたのですが、前に面した父の部屋は日当りがよく、母の部屋はちいさな窓が一つあるだけで,まるで牢獄のような部屋になってしまいました。廊下,窓のある壁のほかは、収納のついた壁(父の部屋とのしきりになっていて、父側にも収納がついている)と納戸のある壁に囲まれている状態です。二階には二部屋あるので,どちらかに二階で寝てもらおうともおもっているのですが、高齢なのと,母が足が悪いのとで,どうしたらいいかと思っています。思い切って,建築会社に、二部屋の間にある壁/収納をとっぱらってもらい日当りのいい一部屋にしてもらおうかとも思っているのですが,ここまできて、そんなリクエストを聞いてもらえるかとも心配です。どうかアドバイスをお願いいたします。
kmchanさん ( 神奈川県 / 女性 / 47歳 )
回答:2件

川口 良子
建築家
3
下地の状況だと、出来上がりより暗いイメージになります
kmchanさん 初めまして、川口良子と申します。
ご両親のご希望を踏まえ、一生懸命考えたのに、出来上がってきたら、イメージが違ってしまうと、ショックですよね。図面だけだと、なかなかわかりにくいものです。
でも、壁紙がまだということなので、今の状態は、まだ、暗い色の下地材の状態で。完成時よりかなり暗いイメージになっていることも考えられます。
「小さな窓」とありますが、具体的な寸法はどれくらいでしょうか?建築基準法上、住宅の居室場合の部屋面積の1/7以上の採光面積(窓の大きさ)は確保されているはずです。(例えば6畳:約10平方メートルだと、その1/7で1.4平方メートルの窓になります)
壁紙を張って、壁や天井が明るくなると、部屋のイメージは随分変わります。(壁紙は明るめのものを選択することをお勧めします。)
窓は東西南北どちらの方角にありますか?窓と隣地との離れはどのくらいでしょうか?窓のガラスは透明ですか?窓が北側だったり、隣地とあまり離れていない場合、さらに型板ガラス(透明でないガラス)だと、この基準法の数値だけだと物足りないと感じられるかもしれません。
その場合は、収納の一部をとって、そこに明障子を設けることで、間仕切りの機能を残しながら、お父様のお部屋の明るさをお母様の部屋に取り込むといった工夫を考えられてはどうでしょうか?
また、暮らし方において、昼間は主にどちらの部屋で過ごされるかによっても、考え方は違ってくると思います。普段はお父様やご家族とご一緒に明るい部屋で過ごされ、主に寝るときだけ個室に行かれる場合、他の部屋とは異なる、落ちついた自分の居場所として、インテリア等で工夫することも考えられると思います。
お問い合わせに対して、明確にお答えをすることはできませんが、ご参考になればと思い、回答させていただきます。
補足
分かり難くなるなると思い、必要な窓大きさについて、建築基準法の採光補正係数のことを抜かした回答をしましたが、やはり正確でなく、誤解されるといけませんので、修正させていただきます。
窓と隣地との離れの距離が大きい場合は、窓面積を割り増しできる補正係数があり、部屋面積の1/7より狭い窓でも基準法上はOKになります。
この採光補正係数により割り増しして、部屋面積の1/7以上をクリアしているようでしたら、あくまで個人的な見解ですが、かなり物足りない窓かもしれません。
評価・お礼

kmchanさん
適切なアドバイスを早急にどうもありがとうごさいます。さて、窓のサイズですが、本当に小さい物で,とても1/7以上には見えません。また、窓の隣はすぐに壁です。以上を考慮し、窓を換える、または収納を取り払うなどの、変更を建築会社にお願いすることはできるのでしょうか。それとも、現時点では遅すぎるのでしょうか。

川口 良子
評価ありがとうございます。
手直し工事について、「できないことは無い」とういうのが結論です、問題は費用負担です。基準法を遵守していないようならば、設計者の瑕疵です。最低限、法令を遵守した機能を備えたものにするのは当然要求できることです。設計・施工で契約されている場合でも、必ず、有資格者の設計士が設計しているはずです。していなければおかしいです。住宅の居室としての採光計算をどのように考えていたのか説明を求められてはどうでしょうか?
ただし、基準法ををクリアするだけでは、満足できる採光にならない場合については、手直しの方法、工事内容、これまでの設計協議の過程により、費用負担について、色々な考え方が出てくると考えます。こうした調整も、本当は設計士の仕事の一部なのですが、それが期待できないようならば、しんどい交渉になるかもしれませんが、kmchanさん、ご両親の快適な終の住拠の実現のために、ふんばってみてください。

森岡 篤
建築家
-
設計者の説明/解決方法
kmchanさん、こんにちは
パルティータ建築工房の森岡と申します。
家の設計はどちらに依頼したのでしょうか。
建設会社の設計施工ですか。
お母さんの窓は小さな窓1つということですが、確認申請では、居室として申請されていますか。
申請上の問題はともかく、
建て主は、住宅の素人ですから、図面を見ても、どの位の明るさの部屋になるかを、判断することはできません。
設計者が、家の使い勝手、必要な部屋の明るさを把握し、図面の段階で建て主に伝えて、判断しなければいけません。
このあたりのプロセスはどうだったのでしょうか。
お父さんかお母さんどちらか、2階に住んでいただくのも一つの方法でしょうが、風呂、食事等、どちらかの階にあり、どちらかの方は、毎日上下階を行き来することになります。
元気な内は良いのですが、健康状態が悪くなると、上下階行き来がとても辛くなります。
私の事務所には、家を建ててみたら、家が暗いので何とかしてほしい、解決方法を教えてほしい,という方が、何人も来られます。
改造して、明るくする方法は色々あります。
二部屋の間の壁を外したり、光が通る壁に変えたりする方法もあると思います。
壁紙を残し完成ということですが、上記の説明責任プロセスを含め、建設会社と話し合いを持たれたらいかがでしょうか。
参考にしていただけたら幸です。
パルティータ建築工房サイトはこちら
東京都中野区の建築設計事務所 注文住宅/二世帯住宅/リフォーム
住宅の疑問にこたえる、「住宅こたえるね!ット」はこちら
(現在のポイント:-pt)
このQ&Aに類似したQ&A
表示中のコンテンツに関連する専門家サービスランキング