対象:会計・経理
現在、お客様に対して当社スタッフを派遣する契約の検討をしています。
先方の都合により、業務委託契約や派遣契約ではなく、出向扱いにして欲しいと言われています。
金額面は、派遣時と同額負担する、とのことです。
派遣時と同額ということで、当然に社員の給与よりも多い金額を負担いただくことになるため、お金の流れは以下のようにすることを考えています。
お客様から、給与負担金という形で当社に契約額を支払っていただく。
当社からそのスタッフに対して、給与を支払う。
この場合の、給与負担金の勘定は、売上扱いにすることはできるのでしょうか?
調べたところ、一般的には給与負担金は、営業外収入になるとの解説を見つけました。
今回のケースでは、契約手法として出向形態を取っていますが、実質的には派遣と同様なので、実態に合わせて売上げにしたいところです。
派遣スタッフの給与は、売上原価、少なくとも営業費用扱いになってしまうため、給与負担金が営業外収入扱いにしかできないとすれば、経常利益は同じでも、見た目上の営業利益が非常に悪くなってしまうので、これも避けたいところです。
ご助言をいただければ幸いです。
ss_gptさん ( 東京都 / 男性 / 30歳 )
回答:1件
給与負担金収入も、営業目的であれば売上でいいと思います
「売上を何にするか」、「売上と営業外収益の違いは何か」、と言ったときに、明確に区分できる唯一の基準はないと思います。
実務上の基準として、「定款に記載されている会社の目的を、決算書の売上とする」、というのは、一つの目安だと思います。
ただし、非上場の会社ですと、定款で、なんでもかんでも会社の目的としている場合があります。
このような場合、いくら定款に記載されていたからといって、たまたま今期だけ生じた取引までも売上にしていいのか、といったケースもあるかと思います。
あるいは、いつのまにか定款に記載していない取引ばかりが売上になっていた、といった場合もあります。
ですので、あまり杓子定規に定款の文言にとらわれることはないかと思います。
御社の場合は、人材派遣業を会社の目的として定款に記載されており、売上に計上しているのではないかと思います。
出向というのは、定款に記載されているわけではないかと思います。
しかし今回のケースは、出向という形態ではありますが、実態としては人材派遣に付随する業務ですので、給与負担金(あるいは出向負担金)を売上に計上することも可能ではないかと思います。
また、ご質問にありましたように、売上に計上したほうが売上原価に計上された給与と、費用収益の対応が図れて、会計的にも望ましいと思います。
ただし、人材派遣業を営んでいるわけではない通常の会社では、出向負担金収入を全額給与からのマイナス、として処理している例が多いように思います。
あるいはご質問の通り、営業外収益の雑収入で処理している場合もあると思います。
いずれにせよ、金額の大きさや、どれくらいの期間継続するのか、といった面も考慮して会計処理を決めることになるかと思います。
評価・お礼
ss_gptさん
ご回答、ありがとうございました。
給与負担金を売上計上することに、明らかな問題はない、ということで理解しました。
経常利益では同じことなので、税務上で問題になることはなく、また当社は監査法人の監査を受けているわけでもないため、どのように処理をしたとしても、外部から指摘を受けるようなことは考えにくかったのですが、明らかな問題点がないかどうかだけ、確認をしたいと思っていました。
ご助言を受けて、売上計上したいと思います。
回答専門家
- 森 滋昭
- (東京都 / 公認会計士・税理士)
- 森公認会計士事務所 公認会計士・税理士
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監査・税務・ビジネス、”3つのキャリア”で、約20年。 その間、いつも「決算書の数字の奥にあるものをみる!」感覚を研ぎ澄ましてきました。 だから・・・ベンチャーから上場企業まで、あなたの会社の、一番の社外サポーターに!
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