対象:企業法務
取締役会として法的に話し合いを
ご質問の内容から、御社の取締役は社長と専務の2名であり、他に取締役がいるのか不明ですが、不動産の購入については、取締役会の意思決定が必要です。ですから、まず、不動産購入は、きちんと検討した上で取締役会で意思決定する必要がある旨を法的な義務の問題として奥様である社長に伝えることがよいかと思います。
また、社長の行為が背任罪に該当するのではないかとのご質問ですが、会社法960条では、特別背任罪として、10年以上の懲役もしくは1000万円以上の罰金に処し、あるいはこれらを併科する旨の規定があります。ただ、社長である奥様に、自己の利益を図ったり、あるいは会社に損害を与える目的がないということであれば、特別背任罪は成立しません。また、ご質問者の方も奥様である社長に対して刑事罰までは考えられていないと思います。
そこで、ご質問者の方の会社の株式の持株数が社長の持株数よりも多いのであれば、多少荒っぽい手段かもしれませんが、株主総会を開いて、社長の解任を決議すること一案かと思われます。
ただ、御社はご質問者の方がご家族で経営されていらっしゃる会社のようですので、まずはご家族できちんと話し合いをされることが一番なのではないかと思われます。会社の経営が立ち行かなくなるようなことがあっては、ご家族の将来に悪い影響を及ぼすことにもなりかねません。また、パート従業員の方をはじめ、戸建オーナー様やアパートの住人の方々、リフォームの請負業者など、関係者の方々にも多大の迷惑をかけてしまうことになってしまいます。ご質問者の方には、是非、上で説明をいたしました法的な問題を踏まえて、ご家族できちんと話し合いをしていただき、社長である奥様に御社の経営状況や会社を経営する者としての社会的な責任について理解してもらえるように努力していただければと思います。
回答専門家
- 金井 高志
- ( 弁護士 )
- フランテック法律事務所
フランチャイズとIT業界に特化。最先端ノウハウで支援します
フランチャイズ本部と加盟店に対して、法的アドバイスでのお手伝いをしてきています。また、インターネット関連のベンチャー企業の事業展開のお手伝いもしています。特に、株式公開を目指すベンチャー企業のために、お手伝いができればと思っています。
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