対象:新築工事・施工
中舎 重之
建築家
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江東区の地震と建物
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東京湾北部地震M7.3は、荒川河口付近が震央と見なされています。
江東区での揺れは震度6強以上と推定されます。
予想される地震の加速度は400ガル以上になります。國の基準の加速度は200ガルです。
江東区での建物の構造計算には、國の基準値の400/200=2.0倍の入力が必要になります。
地盤も軟弱が予想され、杭基礎に成るでしょう。杭径も216.3~267.4と予想します。
地盤調査もボーリングデータが必要で、N値も20~30の支持地盤を見付けて下さい。
上部構造は、重量鉄骨ラーメン構造とし、柱は角形鋼管で25~30cmに成るでしょう。
梁はスパンとの関係もありますが、中幅サイズを使いましょう。外壁はALC版100mm、
床版は合成スラブになります。屋根はガリバリウム鋼板が良いでしょう。
鉄筋コンクリート造(RC造)は、建物の重量が重く、地震時には不利に働きます。
建物が重い事は軟弱地盤には不向きです。
RC造は全て現場での工事ですので、鉄筋の配筋(定着と継手)、コンクリート打設(強度とスランプ)
等の品質上の管理が重要になります。
工務店クラスやハウスメーカーの現場での工事の監督が、概して未熟ですので、
良いRC造が出来そうにもないのが現実です。大手のマンション業者も同じ様なレベルです。
鉄骨造は、工場にて正確に製作しますし、現場の組立もミスが少なく安心です。
近隣商業地域で、防火地域、耐火建築物を満足させる工法は、重量鉄骨造で決まりです。
木造3階建ての車庫付きは、最初の地震で倒壊します。
最低でも、1階を鉄骨造として、2階と3階を木造で造る立面的混構造とすべきです。
大阪方面では、3階建てを立面的混構造とする建物が90%以上もあります。
20年前の阪神淡路大震災を経験している事が反映していると思われます。
東京では、立面的混構造の割合が15%以下と、
異常に低いのは地震に対する認識がない事によるのでしょう。
建物が倒壊する事は、財産を無くする事であり、
建物がなくなっても、ローンの返済完了まで借金を背負う事になります。
2015.1.27 中舎重之 Fax:046-263-9324
評価・お礼
f1999 さん
2015/03/02 15:41
連絡が遅くなりすみません。
回答していただき、ありがとうございました。
ちょっと、家を建てるのが怖くなってきました。
マンションに引っ越す案も検討してみます。
ありがとうございました。
中舎 重之
2015/03/02 18:20
当方が、2月3日に回答しました、「目黒区の地盤と地震」にはマンションの事を記しました。
他には、当方のコラムにて、「20年前の阪神・淡路大震災」マンション編を記しています。
参考として、一読して下さい。
引っ越しをするなら、東京湾北部地震の震源地:荒川河口より遠くの、武蔵野台地が良いでしょう。
武蔵野台地の地盤は、関東ローム層が厚く堆積した安定した場所です。
2015.3.2 中舎重之
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玄関が1つで1階が両親で2階が私達夫婦が住んでいた二世帯住宅に住んでいますが、昨年に両親が他界して1階を使っていない状況で、前回、リフォームをして、1階を人に貸せないだろうかと思って相談をいたし… [続きを読む]
f1999さん (東京都/44歳/男性)
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