対象:子供の教育・受験
岡松 高史
家庭教師
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家庭教師「だけ」は、危険です。
以前に、中学受験に関する同様のご質問にお答えしたことがありますので、高校受験向けに修正し、再掲致します。
私自身家庭教師をしていますが、家庭教師だけで受験対策をするのは危険だと思います(優秀な子で、大学受験なら可能かもしれませんが)。
まず、それぞれの教科の家庭教師がプロ意識の強い人たちであればあるほど、バランスが取りにくくなるというのが、危険だという理由です。入試は、各教科の合計点で争います。ですから、たとえば、ずば抜けて成績の良い教科が二つあれば他の教科はそこそこで合格できるということもあります。こういったことを考慮し、各科のバランスを取るには「司令塔」が必要になりますが、家庭教師の上に立つのは保護者ですから、保護者の方が指示を出さなくてはなりません。プライドの高い家庭教師に対して、「あなたに教えてもらっている教科は、そこそこの得点が取れればよいです」と言うのは、なかなか難しいと思います。
また、一人で「5科指導可能」を謳う家庭教師の方もいらっしゃいます。そうした人に依頼すればとお考えになるかもしれません。しかし、やはりそうした家庭教師でも得意不得意はありますから、ある教科が主で他の教科の面倒も見られると言う程度だと思っておいた方が良いと思います。5科すべてにわたって、それぞれの学習内容や、志望校の各科の出題傾向、さらに、お子様の各科の現状を把握し、合格までの対策を立てるというのはよほどの人物のみ可能だと思います。皆無だとは言いませんが、希有な存在でしょう。
その「司令塔」の役割を家庭教師センターが担うと謳っている所もありますが、玉石混淆です(家庭教師センター間でも差がありますし、同じセンターでも5人の先生と「司令塔」役の担当者の組み合わせによっても差があります。大きなセンターだとこの組み合わせも無限大になります)。これもまた、巡り会う可能性がないとは言いませんが、うまくいくかどうかは賭になってしまうでしょう。
そして、危険だという一番の理由は、しっかりとしたカリキュラムがないということです。ある程度評価の定まったカリキュラムを持つ、そういった規模の塾を選ぶ方が無難だと思います。
補足
では、家庭教師の強みは?
ズバリ苦手教科、苦手分野の克服にあります。
受験塾の場合、学習進度や説明のレベル(丁寧さ加減とでも言いましょうか)は、そのクラスの中位の子より若干上の子を標準にして設定してあるのが一般的です。
すると、苦手教科、苦手分野はついていくのが精一杯、ならまだましで、いわゆる「お客さま」になってしまう場合もあります。あるいは、この分野は苦手だからもっと演習に時間をかけたいと思っても、スケジュー通り次の分野に移ってしまうこともあります。
そこで家庭教師の出番です。
入試までの一貫したカリキュラムを、個人や数人で組むことには無理があります(ですから、これは塾に任せます)が、ある一人の子の苦手教科、苦手分野を入試までにどう攻略するか(させるか)といったカリキュラムならば、個人が個人に合わせて作る方が良いと言えます(オーダーメードなのですから)。
合格までの総合的な道筋は塾につけてもらい、個別にフォローが必要なものを家庭教師に任す、これが良いのではないでしょうか。期日を切って、あるいは、ある単元・分野だけといった限定的な指導依頼も可能な場合があります。
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中学2年生の息子を持つ母です。昨年度の期末テストの数学の試験で息子が20点台を取ってきました。
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