対象:子供の教育・受験

岡松 高史
家庭教師
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「大きな目標」「小さな目標」を決めて、取りかかりましょう。
まず、その「苦手な」教科が、「克服すべき」教科なのかどうかをしっかりと見極めましょう。
こう書くと、「苦手なんだから、克服するのが当然でしょう」と思われるかもしれませんが、必ずしも「苦手=克服すべき」とは、言えません。
私は家庭教師を生業にしていますが、「他教科に比べ、得点率が低い」から「克服しなくては(させなくては)」というお考えの保護者の方にお目にかかるケースがよくありますが、「受験」ということに限定すると、「足切り」にかからない限り、総合得点で合格点に達していれば苦手教科があっても構いません。全教科、おのおの合格点に達しているというのは理想でしょうが、そのようなお子さんは「第一志望」の学校でで考えれば、ほとんどいないと思います。
ですから、まずは「本当に克服すべき『苦手』教科」なのか、「個性と言える程度の『苦手』教科」なのかをはっきりと見極めます。子どもを追い込んでしまったり、保護者の方が必要以上に悩まないように。
次に、それでも「克服すべき」と判断されるケースですが、まず「大きな目標」として、受験までに「どのレベルまで持って行くか」といった長期目標を定めます。苦手教科以外でどこまで得点力を伸ばせるかから、「苦手」教科の得点力をどこまで伸ばせば良いのか、目標を決めるのです。
「ゴールが見えない」ことほどつらいことはありません。ですから、「見える程度の距離の目標」を設定します。この「見える程度の」というところが、ポイントになります。
「大きな目標」が決まったら、「小さな目標」を決めます。
一週間の中で、その苦手教科の学習に割く時間を決めるのです。具体的には、何曜日と何曜日の何時から何時まで、あるいは、毎日何時間などと決めるのです。
大切なのは、「小さな目標」は、苦手教科は「分量」ではなく「時間」で計画を立てることです。
学習効果は、ほぼ「集中力」で決まります。
得意教科、得意分野は、集中力を「自分で」引っぱることが可能です。しかし、不得意教科、不得意分野は、それが難しいと思われます。ですから、「何時までがんばろう」「何時になったら、終わりだ」と「時間」で目標を設定するのです。
これは、私のオリジナルではなく、海保博之氏が『学習力トレーニング』(岩波ジュニア新書)で勧めていらっしゃる方法ですが、私が指導している生徒に勧めてみて、効果があると感じている方法です。
補足
ここでお話しした、毎週や毎日といった「小さな目標」を、得意分野は「分量」で決め、苦手分野は「時間」で決めるという方法は、受験生だけでなく、大人でも有効だと思います。
私自身、家庭教師や講演会の講師、いろいろな相談におこたえするといった「その時、その場にいて、そのときどきに適切なことをお話しする」のがお仕事になるもの以外に、模試や問題集の執筆、過去問解説の執筆といった「原稿というものを仕上げなくてはならない」お仕事もしていますが、その執筆のお仕事の中には、実は、得意なものと苦手なものがあります(出版社の方がご覧になると差し障りがありますので、どれが得意でどれが苦手なのかは内証ですが)。
苦手な分野の執筆は、「時間」で目標を設定すると、乗り切りやすいように思います。とりあえず、「今日は、自分で課したノルマは達成したのだから、一杯やろう」などと区切りをつけると、充実した日を送れたように感じ、「また、明日もがんばろう」と思えます。得意分野の執筆に関しては、「とにかく、この一本の原稿を仕上げたら、一杯ね」と自分に言い聞かせると、何時まででもがんばることができます。
お母様方も、家事仕事に応用されてはいかがですか。
お掃除が苦手な方は、「毎日、何分」で目標を設定し、得意な方は「毎日、何部屋」で目標を設定するのです。お掃除以外にも使えると思いますよ。
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高校受験を控えています。得意な科目と苦手な科目がはっきりしており、苦手な科目の勉強に力を入れようと思うものの、つい後回しになってしまいます。勉強時間をうまく配分し、苦手科目を克服するよい方… [続きを読む]
All About ProFileさん
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