対象:会社設立
八ッ波 泰二
経営コンサルタント
1
合同会社の社員について
経営コンサルタントをしております中小企業診断士の八ッ波(やつなみ)と申します。大変遅くなりましたが、まだ誰も回答していませんので説明させて頂きます。
1. 会社法の持分会社(合同会社はこの範囲に含まれる)でいう「社員」とは、一般的に使う社員(従業員と同義)という言葉とは異なり、株式会社で言えば「株主」に相当するものを意味します。会社法で使う法律用語ですので、そのまま了解していただくしかありません。従って合同会社の社員は従業員ではありません。(株主に当たるといっても、一般の方が株を日常的に売買して株主になるのとは異なり、設立段階から会社経営に深く関与する出資者です) 次の2項以降では、従業員ではない会社法上の社員の意味で使用します。
2.上記を理解していただけば、疑問点も解消すると思いますが、ご質問について、先の質問(16時ごろ掲載されたもの)も併せてご説明します。
職務執行者の籍:職務執行者は、業務執行社員(法人)の会社から業務命令で合同会社の社員を務めるべく指定された者で、通常の会社でいえば取締役執行役員みたいな地位・立場にあたり、合同会社の従業員ではありません。
選任の手続きは取締役会の議決で当然有効ですが、当該会社の規定(取締役会規定や職務権限規定)で、社長権限の範囲であれば社長に稟議の決裁してもらえば十分です。(別途の手続きとして、選任したら合同会社の他の社員に通知する必要があります)
一般的に株式会社では、従業員を他社の役員として派遣する場合は、休職とするか在席のままその者の職務を○○会社役員とする、等あるようです。合同会社の社員は株主的立場と取締役的な性格を有しており、職務執行者は会社(社員)の代行者(?)ですので、休職よりも在籍している方が自然です。
*業務執行社員と社員の区分、社員の議決権は補足説明の欄で説明いたします。
補足
業務執行社員と社員の区分
業務執行役員は定款で定めた場合のみに存在しますので、591条1項は、590条3項にある、持分会社の常務(事業に関し日常行に行なう業務)は各「社員」が単独で執行できる、という規定を、(定款で定めた場合には)持分会社の常務は各「業務執行社員」が単独で執行できると読み替える、というものです。
591条2項は、業務執行社員と読み替えた場合でも、支配人の選任・解任は(業務執行社員ではなく)社員の過半数とする、というものです。
社員の議決権
ここで言う議決権とは、日常業務の決定権限ではなく社員が持つ基本的な権限(例えば定款の変更、支配人の選任、社員の競業や利益相反取引の承認等について意思表示できる)のことです。この権限を有しない社員はいません。
日常業務については、定款で業務執行社員を定めれば、その他の社員は日常業務について権限がありません。(議決権とやや意味が異なりますが)
以上簡単に説明しましたが、不明なことや疑問があれば遠慮なく質問をお願いします。
合同会社の設立、運営がうまくいくようお祈りします。
富士マネジメント(株) 八ッ波
(現在のポイント:1pt)
この回答の相談
たびたび失礼致します。
2つ追加の質問をさせて下さい。
■ 会社法条文内の「社員」の解釈
会社法条文内の「社員」の会社について、よくわからない部分があります。… [続きを読む]
たつやとかずやさん (東京都/31歳/男性)
このQ&Aに類似したQ&A