対象:一般歯科・歯の治療
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自家歯牙移植の予後
自家歯牙移植に関して、既に何人かの先生から回答があったようですので、少し科学的観点から報告をします。 自家歯牙移植は、近代の治療法としては1960年代に初めてスウェーデンで行われました。私の古い友人で、17年前に手術に関して指導を受けたスウェーデン南部の都市マルメに住むクリスターソン先生が最初に試された治療法です。その後、先生は自家歯牙移植の研究で、ノーベル医学賞選考で有名なストックホルム大学カロリンスカ研究所より博士号を授与されています。その記念すべき論文をプレゼントしていただきました。その後、自家歯牙移植の研究は先生の知り合いであるデンマークのアンダーソン先生が受け継ぎ、世界の歯科界に普及したのです。
しかし、自家歯牙移植は歯根未完成の歯を移植することが基本であることで、若い患者さんが主な対象であることが十分に日本には伝わらなかった経緯があります。世界的な視野で見ると、自家歯牙移植を盛んに大人に対して行っているのは日本だけでしょう。現在、スウェーデンなどでは、インプラントができない子供にのみ行われている治療法です。自家歯牙移植自体、難しい手法ではありませんが、その長期的な予後(経過)は満足がいくものではありません。歯根表面にあるセメント質や歯根膜を損傷せずに移植することが困難であることが主な理由です。
しかし、自家歯牙移植は危険な治療法ではありませんし、インプラント治療のような費用がかからない利点もあります。5年間くらいは安定して使えることが多いのも事実です。
ネガティブな側面を述べて、面白くない回答をいたしましたが、多少の参考にしていただけたら幸いです。
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この回答の相談
はじめまして、こんにちわ。
先日、主人が親知らずを抜いてその歯を
虫歯がひどく治療できなくて抜いた所へ
移植したのですが、この様な治療は通常の治療なのでしょうか。1度抜いた歯がもう一度使えるようになるのか
少し気になります。説明が下手ですみません。
大丈夫かどうか教えてください。宜しくお願いします。
ぴんくのぶたさん (大阪府/34歳/女性)
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