対象:ペットの医療・健康
胃癌手術後の栄養補給について
はじめましてアレス動物病院の沖田と申します。
さて、手術の状況がわからないので、どこまでやってあげるべきかというのは難しいところなのですが、このままでは食べられないことによって弱り、弱っているので食べられず、の悪循環に陥ってしまうのではないでしょうか。
私が以前、猫さんの腸腫瘍の手術を行ったとき、その猫さんははじめ食欲が全くなく、飼い主様と相談して、経鼻食道カテーテルというものを設置しました。
これはそうめんほどの細いチューブを鼻の穴から食道まで入れ(かわいそうなのですが皮膚に縫いつけ)、このチューブを介して流動食を入れて栄養補給を行いました。
種類にもよりますが、たとえば3kgのワンちゃんで、流動食が一日160ml飲ませなければいけないとなると、たとえこれを5回に分けても、一回32ml飲ませなければいけないわけで、これをすべて口からというのはおそらく無理でしょう(これが可能なら自分で飲み食いしていると思われます)。
これをチューブを使い、苦痛なく、直接食道の中に入れるという方法です。
その猫さんは2週間流動食をチューブから入れているうちに、少しずつ食べてくれるようになり、必要量食べてくれるようになった時点で、このチューブを外しました。
胃の手術の状態にもよるので、必ずしもこの手段が可能かわかりませんし、また飼い主さんの価値観によってはこのような処置を嫌う方もいらっしゃいますので、どこまでやってあげるべきかはよくよく主治医の先生とご相談の上で決められた方がよいかと思います。
ただ、今のアイスや生クリームを少しだけという路線では、遠からず限界が来てしまうのではないかと思われます。
回答専門家
- 沖田 将人
- ( 富山県 / 獣医 )
- アレス動物医療センター センター長
地域に密着したワンランク上のホームドクターを
アレス(Alles)とはドイツ語で「あらゆること」を意味します。インフォームドコンセントの充実、年中無休、CTスキャナ導入など動物たちの幸せにつながることなら、飼い主様のあらゆる要望にお応えしたい。そんな願いを込めて診療に取り組んでいます。
(現在のポイント:4pt)
この回答の相談
このQ&Aの回答
このQ&Aに類似したQ&A