老後・年金生活に役立つ本の紹介

週刊ダイヤモンドで連載されている、山崎元さんのコラム「マネー経済の歩き方」で、老後の生活設計に役立つ本、老後資金はこれだけかかると」不安を梃子に金融商品を販売している企業・営業マンが困る本、として紹介された本を読みました。

題名は　あんしん・お気楽！　「年金15万円のゴージャス生活」ぱる出版刊、著者は、中町敏矢氏でご自身で「月15万円の年金受給者」と自己紹介しています。

内容は、中町氏が実際に15万円で実践している暮らし方とその家計が述べられています。私は読んでいる間中FPとして「なるほど。なるほど」の連続でした。

老後の生活費を材料に、年金保険等を販売している方達、投資が必要と説く人達には、「不都合な事実」があからさまになります。

例えば、老後は、年金だけで暮らすと、その多くの方達が非課税所得者になり、行政サイドの高齢者優遇策で生活費が掛らなくなるなどを事例で紹介していらっしゃいます。
また、家を持たずに、市営住宅(公的な住宅)にで過ごす利点がしっかり書かれていて参考になります。私も、お客様には賃貸で暮らす事をお勧めしていますし、公的な住宅・マンションの費用は持ち家に比べ有利であることを示しています。

年金・医療等の社会インフラの中で暮らす、テクニックなども盛りだくさんで、中町さんの考え方に共鳴できなくても、参考になるものは多く、本の代金1,400円+税は安い買い物と感じられると思います。

本にも書かれていますが、日本国内であれば、夫婦お二人で、年金15万円の生活は、耐久生活では無く、優雅に暮らせることが解ります。
都市に住み、車を持たず、家は賃貸(夫婦二人で暮らす広さ)、図書館・博物館・公的な施設を利用して暮らすことの気楽さも解る良い本です。

特に6章「老後不安」が商材にされている、の中で紹介されているFPの営業活動は、このようなFPが居るから、ファイナンシャル・プランナーは保険を売る人、金融商品を売る人と認知されてしまうのだと、そのFPに対して憤りを感じます。これら商品を販売する方達は米国ではアドバイザーでは無くブローカーと区分されています。

ファイナンシャル・プランナーとして弁明をすれば、FPの本務はアドバイザー業務です。
商品を販売しているのは、夫々の商品の営業マン・販売員であり、FP業務をしているのではありません。本来のFPはお客様の夢や目標を達成する為に、トータルなファイナンシャル資産設計を行い、併せてその実行を援助するファイナンシャル・プランニングの専門家です。

私は、この本に書かれている「年金15万円の生活」を基本ベースとし、その上に、ご自身の生活スタイルで必要とされる費用、及び夢や希望実現のための費用を積み上げてライフプランの作成をされるようお勧めします。

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文責
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP(R)
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独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー　
吉 野　充 巨
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