【No. 9】「でも」と言わずに自分の主張を通す方法 - 職場の人間関係・雰囲気 - 専門家プロファイル

若狭 喜弘
滋賀県
パーソナルコーチ

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対象:仕事・職場

須貝 光一郎
(ビジネスコーチ、経営者コーチ)
阿江 忠司
(ビジネスコーチ)

閲覧数順 2024年04月29日更新

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【No. 9】「でも」と言わずに自分の主張を通す方法

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人を活かす 自分自身を活かす

若狭 喜弘です。「Yoshi(よし)」とお呼びください。
コミュニケーションや心理学を学んできたコーチである若狭が、職場
で部下 や同僚の方に本来の能力を発揮していただくために「あなたがで
きること」のヒントをお伝えしていきます。


《「でも」と言 わずに自分の主張を通す方法》
こんなことってないですか?

A:「お前はな、○○で、△△だから、□□なんだよ。」
B:「はい、そうですね。そうかもしれませんね。でも、~~~」
A:「何でお前は反論するんだ!」

どこにでもよくある光景で す。
家庭でも、職場でも。
職場といえば、AとBが上下関係だったとして、Aは上司の場合も、
部下の場合もありますね。
もちろん、言い回しは違いますが。

これって、何が問題で、どうすれば解決すると思いますか?


まずはお役立ち 情報から。

Bさん、惜しいですね。
Bさんには、知識も情報もあって、正しく伝えようとしている気持ち
が伝わってきま す。
でも、それだと伝わらない。

なぜ?って、人とのコミュニケーションは「ラポール」です。
「でも」と言った途端 に、その「ラポール」が切れてしまうのです。

※「ラポール」は、日本語では「信頼関係」と訳されています。
ただ、「信頼関係」 というと、言葉のイメージが人によって違うので、
コーチングやカウンセリング用語としての「ラポール」としました。
「ラポール」はフラ ンス語の心理学用語と記憶しています。
これからも何度も出てくる言葉ですので、覚えておいてくださいね。


「でも」 は、埋もれた「お宝」社員がよく使う言葉でしょう。
「お宝」社員を埋もれさせる上司の方がよく使う言葉かもしれません。


ではどうすれば良いのでしょうか?


つなぐ言葉を
・そして(and)
・それから
・そ れでね
・~しながら(while)
・~すると(as)
とすればいいのです。
話す内容は逆のことでも構い ません。
ただし表現は、否定形ではなく、肯定形にしてください。

人は、
正確に、厳密にしようとするあまり、相手の 言葉を否定することがよ
くあります。

科学技術や安全を守るための議論ではなく、
もし、相手に言葉を受取ってもらいた いのであれば、相手に違和感を
感じさせないことが大切です。


違和感って?

肯定的表現で相手が話す と、中身も肯定的内容であると感じ、心地よ
いのです。
でも、否定形で表現されると、言葉を否定され、自分自身を否定され
ている ように感じられます。
これが『違和感』です。

ただし、相手のイエスマンになれば良いということではありません。
相 手のイエスマンであれば、その場での自分の立場は保障されますが、
それから一生の保障は誰もしてくれませんし、それはあなたの人生では
あ りません。
埋もれた「お宝」社員や、「お宝」社員を埋もれさせる上司の方は、
イエスマンであるか、そうでないか、二者択一で考えている かもしれま
せん。

以上記したことは、NLP的なテクニックです。
もっと、現場に即したことを以下に記します。


「ペーシング」から「リーディング」へ

人を動かすには、この段階が必要です。
グリム兄弟などで知られる『ハーメルンの笛吹き 男』ではないですが、

まず、相手を引き付ける段階
次に、相手を導く段階

が必要です。
いきなり相手を導こうとしても、疑わしそうな目を向けられて、それ
で終わりです。

最初は、相手のペースに合わせます。(これが ペーシングです)

「なるほどね」「そういう考えもあるのですね」「そう感じら
れたのは、よくわかります」

と、相手の話をきちんと受けましょう。
イエスマンではなく、ニュートラルに話すことを心がけてください。
話を要約したり、キーワード と感じ取ったことを返しましょう。
こうすることで、相手が「聞いてもらっている」と納得感が高まります。
だから、聞き流すのではな く、きちんと聞くことが大切なんです。

十分にラポールが築けた段階になって、

「ということは、○○の視点もあ りますね。」

と、自分の主張を肯定的な言葉でつないでいくのです。
(これがリーディングです)

別の言い方 では、これは「イエス・セット」というテクニックです。
相手が「イエス」と繰り返し言うことで、「イエス」ということに慣
れたときに、 「自分の提案を肯定的に言う」のです。
このような段階を踏まれたら、人は否定しづらいですよ。
ただし、私からお願いがあります。
これはテクニックではありますが、「愛情」「信頼感」を感じつつ使っ
てください。

「自分の主張を通す」ことは、それだけが問題 ではなく、

『その相手と、継続して幸せなよい関係を築く』

ための手段です。
相手の主張だけが通るの も、あなたが主張できないのも、あなたの主
張だけが通るのも、幸せな結果になりません。
この点、注意していただけますよう、よろしくお 願いします。


※「ペーシング」と「リーディング」
ペーシング(pacing):相手のペースに合わすこと
リーディング(leading):相手を導くこと


もうひとつの視点は、「自分の価値判断に縛られている」です。
また 機会を見つけて文章にします。お楽しみに。



【Question】
1.職場では、どのようなコミュニケーションが 行われていますか?
2.あなたがコーチなら、どのように関わりますか?


若狭 喜弘(Yoshi)


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