「上司から先に研修すべき」が当てはまらないと思うとき - 人材育成戦略 - 専門家プロファイル

ユニティ・サポート 代表
東京都
経営コンサルタント
03-4590-2921
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:人材育成

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

「上司から先に研修すべき」が当てはまらないと思うとき

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 人材育成
  3. 人材育成戦略
社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験

 企業研修を行う中で、比較的よく言われることとして、「上司から先に研修すべき」という話があります。

 

 実際に研修をしていると、受講者から「この内容の研修を上司たちは受けているのか」「できていない上司が先に受けるべき」などという批判が出るのは、わりとよくあることです。

 こんなことから、研修を行う場合には、役職が上位の者から順番に下位に向かって実施していくということが良いとされることがあります。

 

 確かに自分たちが受けた教えを上司が実践していなかったり、その正反対と思われるような行動を取ったりすれば、そんな文句の一つも言いたくなるでしょう。

 私自身も社内研修を受ける立場だった頃は、「自分たちよりも上司の方が先ではないか」といつも思っていました。これまでの階層別研修の考え方も、基本的には同じようなことだと思います。

 

 “上司から先に”という考え方のすべてを否定するものではありませんが、いろいろな企業の社内研修をお手伝いする中で、最近はこの考え方が当てはまらない場面に出会うことが多くなりました。

 これは、「研修予算をいかに有効に活用するか」と考える企業が増えてきていることに、大きな理由があります。どういうことかというと、社内研修などを通じて学ぶことで、その内容を身に付けて行動変革できる余地が大きいのは、若手から中堅社員までがせいぜいであり、どうせ投資をするなら、実になる可能性が高い階層を集中的に研修したいという話です。上の人間に画一的な研修をしても、良い効果は得られない確率が高いので、より投資効果が高いところに注力したいということで、少し冷たい感じはするものの、当然と言えば当然のことです。

 

 ある会社では、受講者の上司に対しては、部下と同じことを学ばせて率先垂範を期待するのではなく、部下が学んでいる内容の概略と、それを否定したり邪魔したりしないように釘を刺すだけの話をします。上司に対しては、「もし学びたいならば、自分の力でやりなさい」ということだそうです。

 

 私が現場に関わる中での実感として、これまでの階層別研修のように、同じ属性の対象者に一律の研修を施すような手法は、これからどんどん減っていくと思います。

 「みんな一緒」というものは必要最低限になり、伸びしろが見込める若手、幹部候補として選抜された者、評価の上位者など、研修を必要とする者や投資効果が高いと思われる者を選び、その人たちに対して集中的に実施していくようになっていくでしょう。

 

 今は「社内研修なんてつまらないし面倒くさい」などといっている人も、これからは社内研修を受けたくても受けられなくなる、受けさせてすらもらえないという時期が来るかもしれません。

 

 自ら学ぶべきものを見つけ、学ぶ姿勢を常に持ち続けて、なおかつそれを実践していく必要性を痛感しているところです。

 

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(東京都 / 経営コンサルタント)
ユニティ・サポート 代表

組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。

03-4590-2921
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

カテゴリ 「社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集」のコラム

カテゴリ このコラムに関連するサービス

対面相談 【無料】250名以下の企業限定:社員ヒアリングによる組織診断

中小法人限定で当事者には気づきづらい組織課題を社員ヒアリングで診断。自社の組織改善に活かして下さい。

料金
無料

組織の課題は、当事者しかわからない事とともに、当事者であるために気づきづらい事があります。これまでの組織コンサルティングで、様々な組織課題とその改善プロセスにかかわった経験から、貴社社員へのヒアリング調査によって組織課題を明らかにし、その原因分析や対策をアドバイスします。予算がない、依頼先を見つけられないなど、社外への依頼が難しい中小法人限定です。社員ヒアリングのみで行う簡易診断になります。

【無料】250名以下の企業限定:社員ヒアリングによる組織診断

このコラムに類似したコラム

「街中の名刺交換」が本当に研修ならば、その求める効果は何か? 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2017/12/26 08:00)

態度が本心を表す 竹内 和美 - 研修講師(2015/12/21 17:17)

当たり前基準をあげることがリピートにつながる 飯田 祥子 - マナースタイリスト(2014/11/05 10:00)

「叱られるとやる気を失う」と言われても・・・ 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2013/12/10 08:00)

忘れられない最高のフィードバックってどんな言葉でしたか? 松下 雅憲 - 店長育成・販売促進ナビゲーター(2013/10/24 06:39)